ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

旅するダンボール

2018-12-08 11:52:54 | た行

 

財布は知っていたが、こんなにオモロイ人とは知らなかった。

もっとコジャレた人かと思ってたのだ(笑)

 

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「旅するダンボール」74点★★★★

 

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世界中の街角でダンボールを拾い、

それから財布を作るアーティスト・島津冬樹氏のドキュメンタリー。

 

彼の財布は、これまでも

東京・国立新美術館のミュージアムショップで見かけたことがあったんですが

作り手がこんなにオモロイ人とだは映画を観るまで知らなかった。

もっと「コンセプトありき」な、スカしてコジャレた人かと思ってたのだ(笑)

 

捨てられたものを「価値ある」ものに変えていくその活動は

現代の環境問題や、サステイナビリティ(持続可能性)のさらに先を行く

アップサイクルな時代にめちゃくちゃフィットしたわけですが

映画を観ると、なにより島津氏のまっすぐな「ダンボール愛!」に

笑ってしまうんですねえ。

 

 

美大生時代、ダンボール愛に目覚め、

一度は難関の大手広告代理店に就職するも

3年で会社を辞め、ダンボールアーティストとして活動を始める。

 

かつての上司や先輩が語る、

会社での彼の様子にも笑ってしまうし

 

その憎めないキャラに

共感と親しみの笑いが込み上げてきて

「ああ、この人を知ってよかったなあ!」と思いました。

 

あるダンボールのルーツと作者を探す旅が

映画の主軸でもあって

クライマックスに思わぬドラマも待っている。

これぞドキュメンタリーのおもしろさ!とも感じました。

 

「AERA」12/10号で島津さんのワークショップに潜入取材しています。

AERAdotにもアップされると思いますので、映画と併せてご覧ください~

 

そして、昨日、島津さんの著書が届きました!

『段ボールはたからもの』(柏書房)

おもしろそう!早速読ませていただきますー

 

★12/7(金)からYEBISU GARDEN CINEMA、新宿ピカデリーほか全国順次公開。

「旅するダンボール」公式サイト


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