KIHAKU's blog

日々の記憶
建築家 筒井紀博のブログ

住まい手の愛情

2019-12-04 11:44:45 | Weblog
昨年末にお引き渡しを行なった「仙川Sリノベーション」。
先日、一年を祝して?鍋パーティーにお招きいただきました。

すっかり内装も落ち着き、施主と建築が馴染んでいます。
心地よい空間。

常日頃から考えているのですが、建築、特に住宅においては、竣工した時が一番美しい姿ではなく、時の流れと共に成長し、より美しくなる空間を心がけています。竣工した時が一番美しく、見栄えがよくて、その後はだんだんと廃れていくような空間では、住まい手としても愛着が湧いてこないように思います。
旅をすると、よく建築も見て回ります。
雑誌などで見かけ、竣工間もない建築を見ると、色々と経験と知識の蓄積にはなるのですが、なかなか感動はありません。
ただ、名建築と呼ばれる古くから教科書などで紹介されているような建築を訪れると、時に鳥肌が立つような感動を覚えることがあります。
それら名建築も、今の技術をもってすれば、それほど難しいことをしているわけではないことが多いです。
ただ、そこでの時の蓄積、歴史が空間に宿り、存在感が増し、人々に感動を与えるのではないかと。

どのようにすれば、より美しい空間になるのか・・・
それは人々の愛情を含む想いによって空間が成長するものだと考えています。

「仙川Sリノベーション」も去年より居心地の良い空間となっていました。
施主に感謝ですね。

ちなみにこのお施主さん、国内では数少ないエストニア料理の研究家の方です。
写真は食後のデザートケーキ。
毎月、ご自宅にて料理教室なども開催されているようですので、ご興味のある方はご一報ください。

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