タイガース非公式サイト2代目

背番号２９（その６）

みなさんこんにちは　背番号２９の第６回目です

前回ご紹介したように　背番号「２９」は約１０年間投手の番号から遠ざかっちゃったのね　そこから盛り返すのが１９９７年のドラフト２位・井川慶投手でした　そしてその次に着ける選手もやっぱりピッチャーだよ

今回は２名の紹介ですが井川さんが９年間着けてます　次の人は１０年間着けたんだけど誰だか分かりますか？ 難しい？　では本文で確認してね

井川　慶 　投手

茨城県東茨城郡大洗町の出身。小学生のころから野球をやっていたがその当時は何と右投げだったという。その後左投げに変えるが、身体のバランスを整えるために練習では右でも投げていた。

本人が「中学時代は野球の基礎となる下半身強化、そして高校時代はプラスでウエイトをつけていくという練習を心がけていた」と言うように、ランニングは毎日欠かしたことはなく、投手としての上半身のためのウェイトトレも積極的に取り入れており、それはプロに入っても変わらなかった。

　水戸商業高校在籍時には甲子園のような大きな大会には縁がなかった。しかし３年時には春の県大会で７回コールドの参考記録ながら１８奪三振でのパーフェクトを演じるなど、川口知哉（平安）や能見篤史（鳥取城北）と並んで高校生左腕では３本の指に入る投手としてプロからの評価は高かった。

　１９９７（平成９）年秋のドラフト会議では２巡目に指名されタイガースへ入団している。ルーキーイヤーの１９９８（平成１０）年は第３次吉田監督の２年目で暗黒時代真っ只中。もう球団自らも手の施しようのないころで、井川は一軍に上がることなくファームでひたすら鍛える日々だった。

　プロ２年目の１９９９（平成１１）年に野村克也が監督に就任。その野村が何かの用事で鳴尾浜に来た時ちょうど井川が食堂で食事をしていた。そして用事がすんで帰ろうとするとまだ井川が食べ続けているのを見てあきれるが「あいつは大物になる。なぜかって？たくさん食べれる選手は伸びるんだ」と評価したという。井川の原点は走ることと食べることにあったと言えるのかもしれない。

　２年目は一軍に上がることもできて７試合に登板し５月には初勝利も手にしている。成績は１勝１敗で防御率６.４６。

　２０００（平成１２）年も９試合に使われるが、そのうち５試合に先発していることから、野村監督が先発完投型の投手として育てようとしていたことがうかがえる。成績は１勝３敗、防御率４.３５だった。その中で３９回１/３を投げ３７三振を奪っているところにはのちの片鱗が見えている。

　同僚だった中谷仁の回顧によると、井川はこの年のオフ、飛躍的にピッチングが変わったという。それはチェンジアップの質の変化だった。

「チェンジアップがすごいのひと言でした。球の回転はストレートとまったく一緒なのに、シンカーのように少し曲がりながら落ちていく。先輩の広澤克実さんも『アイツのチェンジアップは真っすぐとまったく同じ回転だから、見極めがつかない。このチェンジアップは井川しか投げられない』と絶賛していました。間違いなく、井川の野球人生を開花させた球種でした。」

　と語っているようにピッチャーとしての井川の大転換であり、無敵を誇ったチェンジアップが完成されたわけだ。もう少し中谷の話を続けてみる。

　「どうやって投げているの？」と聞くと、「わかんね。こうやって投げているだけ」と、たまたま投げられるようになったと言っていました。本人も予想していなかったらいしいのですが、私は彼の強靭な下半身が生み出したと思っています。下半身がしっかりすることでリリースポイントが定まり、腕の振りも速くなる。あれだけ思い切って腕を振れるから、ストレートと同じ回転のボールが行くんです。特に、２００３（平成１５）年は２０勝をマークし、１８年ぶりのリーグ優勝の立役者となりました。あの年のチェンジアップは本当に凄かった。」

　実際に井川が戦力になったのは４年目の２００１（平成１３）年。野村監督は井川をローテーションの一角に組み入れ２９試合（先発２８）に登板させている。　

この起用に応え９勝１３敗、１９２回を投げ１７１奪三振、防御率２.６７という大飛躍を見せる。

大きく負け越したのはあくまでチームが弱かったからであり、防御率は中日の野口茂樹（２.４６）に次いでリーグ第２位という好成績だった。

　こうして１５０キロを超えるストレートに加え絶対的な武器を手に入れた井川は翌年からさらに躍進を遂げ、ほぼストレートとチェンジアップだけのコンビネーションで三振の山を築いていく。

　　2002年　31試合（先発29）14勝9敗1Ｓ　209.2回 206奪三振　防御率2.49

　　2003年　29試合（先発29）20勝5敗     206回 179奪三振　防御率2.80

　2004年  29試合（先発29）14勝11敗  　200.1回 228奪三振　防御率3.73

　　2005年  27試合（先発27）13勝9敗  　 172.1回 145奪三振　防御率3.86

　　2006年  29試合（先発29）14勝9敗  　 209回 194奪三振　防御率2.97

２００２（平成１４）年から５シーズン連続二けた勝利。この間の成績をみると、２００３（平成１５）年は２０勝で最多勝利、防御率もトップで沢村賞に選ばれている。また３シーズンで最多奪三振のタイトル獲得。さらに４シーズンで２００イニングを超えているのが素晴らしい。大きなけがもなく毎年ローテーションを守り通している。２００４（平成１６）年１０月４日の広島戦では史上７１人目のノーヒットノーランも達成した。

井川は２００２年くらいから少しずつメジャーを意識してきたこともあり、この成績を踏まえて２００６年のオフにメジャー移籍を希望、ポスティングシステムを利用して同年１１月２９日にニューヨーク・ヤンキースとの契約が成立する。

米国では２００７（平成１９）年から２０１１（平成２３）年までの５年間を過ごしたが、メジャーで投げたのは最初の２年間だけ。しかも２年目はわずか２試合に過ぎない。残り３年はマイナーでの生活だった。

結局メジャー２年間で１６試合（先発１３）２勝４敗、７１回1/3で５３奪三振、防御率６.６６の数字に終わっている。

２０１２（平成２４）年、日本球界に復帰することになるが、いくつかの選択肢の中から、メジャーへ送り出してくれた時の監督だった岡田監督が率いるオリックスでの道を選んだ。

しかし４年間プレーしたものの２９試合７勝１２敗という内容は寂しく、特に最終の２０１５（平成２７）年は一度も一軍に呼ばれることすらなかったため、同年を最後に現役を退いた。

　ＮＰＢ通算記録は、２１９試合（先発２０８）９３勝７２敗１セーブ、１３８７回２/３、奪三振１２７９、自責点４９５、防御率３.２１。

　２００３年に井川が２０勝して以来、セ・リーグで２０勝を記録した投手は出ていない。２０２５年２月現在でも「セ・リーグ最後の２０勝投手」なのだ。

小嶋　達也 　投手

大阪府吹田市出身。高校は石川県の遊学館へ進学している。同校の野球部創設１期生で、２年生でエースになると２００２（平成１４）年の夏の選手権で甲子園に出場してベスト８、２００３（平成１５）年には選抜で３回戦まで進んだが、夏には予選の決勝で敗れた。

注目の投手の一人に挙げられた小嶋だったが、プロ志望届を提出せず社会人の大阪ガスへ入社している。当時は大学や社会人出身選手には「希望枠」があったことから、タイガースを逆指名するために一時的に社会人へ身を置いたのではないかと思われる。社会人では目立った成績を残していない。

２００６（平成１８）年のドラフト会議では順当に「希望枠」でタイガースに入団。同年でタイガースを退団した井川と同じサウスポーということもあって背番号「２９」を受け継いでいる。

もともと期待されての入団だったこともあり、１年目の２００７（平成１９）年から一軍に上がり、岡田監督は開幕時のローテーションに小嶋を入れた。４月１日の広島戦で初登板初勝利を飾ったものの、実力不足は隠せず、５月にはファームへ落されてしまう。結局１年目は５試合で２勝３敗の成績だった。

２年目の２００８（平成２０）年は一度も一軍に上がっていない。ファームでも２試合しか投げていないところを見ると完全に「一から出直し」となったのだろう。

以後も２００９（平成２１）年が１試合、２０１０（平成２２）年も４試合と全く伸び悩んでしまい、勝ち星を挙げることができなかったため、首脳陣はサイドスローへの転換を提案し取り組ませた。

もともと三振を取る能力はかなり高かったが、サイドに変えて登場した２０１１（平成２３）年のシーズンで真弓監督からリリーバーとして起用された小嶋はキャリアハイの３６試合に登板している。

１勝２敗５ホールドという成績はともかく、４８回1/３での６４奪三振という数字がファンを驚かせた。なにしろ名前すら忘れられかけていた小嶋がイニング数をはるかに超える数の三振を奪う「奪三振マシン」として突如現れたのだから首脳陣も驚いていたかもしれない。

しかし小嶋の頂点はこの１年で終わり、翌年からは２０１２（平成２２）年４試合、２０１３（平成２５）年３試合、２０１４（平成２６）年６試合、２０１５（平成２７）年５試合と完全に水面下に沈んだ。

２０１６（平成２８）年はついに一軍登板が無くなってしまい、オフに戦力外通告を受け現役を引退した。

そのままタイガースに残り、２０２５年現在打撃投手として貢献している。

通算成績は６４試合（先発１４）４勝９敗５ホールド、１２０回を投げ１１７奪三振、防御率は５.３３だった。

まとめ​

ハイ終わりました　井川さんのほか１名は小嶋さんでした

井川さんは努力家と言うより自分で好い環境を作っていたんだよね　

まず倹約と言うかケチと言うか・・１カ月で１万円使ったら「今月は使いすぎた。来月は控えよう」と言っていたぐらいの倹約家　基本的にはコンビニも行かず飲むものといえば寮にあるお茶や牛乳・オレンジジュースなんだって

その延長にあるのが退寮規定の年齢を超えても寮に長く居座って安い食事をたらふく食べてたってのもあるね　食事もものすごく時間をかけて大量に食べてたそうよ

倹約優先だから寮にいれば夜遊びとかしないし　居座り続けるのは隣の鳴尾浜球場でいつでもランニングや練習ができしる　食事は安い上に栄養価なども考えられている　まさに一石三鳥くらいの効果があったわけよ　こういう環境に身を置けばある程度の成功はできそうね

小嶋投手なんだけど　先代は入団当初からかなり期待してたそうよ　サイドにすることには反対意見だったようだけど　変えてから三振バシバシとったので「まあいいか」となったみたい　でも１年こっきりで裏切られてしまったのよ　好い時は１５０キロ軽く超えてたそうだから惜しかったね

これで残すところ２名になったので「２９」は次回で終了予定　小嶋さんの次の人ってわかるかな？　外国人の野手なのよ　予想してみてね

背番号２９－７に続く