every word is just a cliche

聴いた音とか観た映画についての雑文です。
全部決まりきった常套句。

#今月の音  テクノ/ハウスにレゲエのベースを

2021-04-09 | TECHNO
「今年はレイヴが来ます」といったのは言わずと知れた小室哲哉だが、どうやらレイヴがまたまた来たらしい……という思いを確信したのは2019年にロンドンを訪れた時のことだったが、レイヴ・サウンド・リ・リヴァイバルは一過性のブームなどではなくあのムードがいまのモードらしい。




過日のTECHNIQUE x DOMMUNE「PRIVATE VINYL LESSON」 で紹介されたこのDawl もそんなモードな音だ。
レイヴ・サウンドというとジャングルの高速ブレイクビーツや派手なスタブを想像するか。本稿でのレイヴはそういった狭義のサウンドではなく89~92年に屋外レイヴで好まれたハウス・サウンドのことも指す。それはズバリ、ブリープだ。


このDawlという人たちは詳細不明なんだけれど、サウンドクラウドをざっと聴く限り一貫してブリープなハウス・サウンドを作っている。UKGなどベースミュージックとそぎ落とされて落ち着いたBPMのミニマルが出会ったらブリープになるのは必然ではあるけれど……。これは90年の未発表アルバム(リマスタリング済)とか言われても信じるなぁ。そうではないという確証もないけれど。



Childhood intelligence · DAWL - Born Abstract - Child Twelve - 2x12 Album


Facebookをみても年齢などは不明。いくつか掲載されている画像に写っている人たちは当時を知っているであろう年齢だけれど、オールド・スクーラーが今でも続けているという感じなのかな? それとも当時を知らない世代が辿り着いたサウンドなのかな?


アルバム全編ブリープ・ハウスなんだけれど最初の一曲目(A1)と最後のD3にヒップホップ・ビーツを持ってくる構成も最高!
しかも、曲名がそれぞれ「Graffiti Headz 」と「Ultrasonic Sound 」というのもいい! D1「Im Confused」のいなたいスクラッチとブレイクビーツ使いもいいなぁ~


さてさて、BBoyとテクノといえばBandulu。
と突然のカットイン気味にぶっこんでしまいましたが、ブリープのようにテクノ・ハウスにベースを持ち込んだのはやはりUKの文化というかルード・ボーイかつBBoyかつレイヴァーなUKのDJたちだと思うのだ。



アナーキックのキャップをBBoyぽく被ったり、深めのフードだったりというジャケのアートワークもシブいが音もシブい。
UKからデトロイトへの返答と当時評された彼らはCreation Records傘下のInfonet Recordsを支えていた人たちで、Bandulu=Infonetといっても過言ではないくらい。InfonetではThundergroundといった別名義も使いつつUKからデトロイトへ応答しつづけていた。



因みにInfonet Recordsは後に『313 Detroit』という超重要なコンピレーションを出すのだけれど、そういう意味も踏まえてUKにおいてデトロイト・テクノをこの時代に広めた貢献者であることは間違いないでしょう。





やがて時代はジェフ・ミルズ『Waveform』の時代になり彼らもハードミニマルな路線に突き進むのだけれど、ハードミニマルへのアプローチもUKのBBoyらしくレゲエを通過したダビーなアプローチを早い時期から試みていたのだった。
ベーシック・チャンネルも同時期にジェフ・ミルズのハードミニマルへの返答という流れでミニマル・ダブを完成させていくけれど、Banduluもベーチャンとは違うUKのミニマル・ダブ、ダブ・ミニマルを完成させていたのだった。


<Reboot>が「⽂化芸術収益⼒強化事業」 として渋谷Contactで開催した<
33 & REBOOT presents BUG FIX>でDJ Mayuriが「Presence」を上手くかけていたのでBandulu愛に火がついてレコ棚を探していたのだけれど、漸くみつかったのは3月という有様…。

しかも、この「Presence」と2nd『Antimatters』はまだ見つかってません! あ、あとBanduluのTシャツも見当たらない!! 


3rdは売ってしまったんだよな…。買い直したい。Bandulu、全部欲しい…。







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