大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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要望=政策だと、最後に利するのは

2022年01月23日 | フェアな民主主義

区民の要望を政策にするのが政治の仕事だと痛感します。

要望をかなえるには、手段こそが大切だと思うからです。

子育てしながら働く環境を整備するために、保育園を作ったら、
そこで働く保育士の低賃金が問題になっています。

区民の要望は、待機児の解消だったので、
待機児問題は、徐々に改善してきましたが、
結果として、株式会社の保育園が増えました。

国が、民間の保育園に
補助金をつけたのです。

かかる税金は同じでも、国からの補助金を貰えれば
その分、他の事業に税金を使えるので、区市町村は、
株式会社や社会福祉法人の保育園をつくりました。

社会福祉法人の保育園は、昔からありましたが、
特に23区の場合、東京都からの各種の補助金が減ったのと
社会福祉法人の法改正により、内部留保しにくくなったこともあって
社会福祉法人より株式会社の保育園が増えています。

 

結果、
子育てという誰もが必要な事業が「お金儲け」の対象に
なって、
・保育士の低賃金
・保育士不足

が起きています。


目的は待機時の解消でも、

どういった手段かで、
保育の環境は違ってきます。

・直営か企業か社会福祉法人
・そこで働く保育士の資格
・人員配置
・正規か非正規か
・施設の面積や備える要件(園庭の有無や避難経路)
‥‥
など、政治が考えなければならないことは、たくさんあります。

これらが違えば、こどもの育ちだけでなく、安全、経済、コストほかたくさんのことに影響を及ぼし、生活の質を悪化さます。

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保育に限らず、
住民の要望そのものを、政策かのように扱うようになってきています。

どういう手段で行うかが重要ですが、
予算をつける政治、要望を税金で買う政治、に単純化されているように感じます。

要望をかなえる「だけ」の政治だと、
短期的に「要望」はかないますが、
新たな、別の問題が現れる可能性があります。

全体的な検証をしないからです。

待機児童の確保で、保育園と定員は増えましたが、
保育士の低賃金や、園庭の無い保育園、
保育園のこども一人あたり面積の低下、
保育士不足などの問題が起きてきました。

結果、そこで利益を得られるのは、要望した区民(市民)・国民ではなく、
予算のついた事業者だったりします。

政治が、利益分配に特化されてくると、
さらに、住民への影響より、どこにお金をつけるかが重要になります。

手段を議論しない政治は、利益分配には都合が良いと思います。

誰に予算を落とすかが重要で、そのことによる問題をきちんと検証しなくてすむからです。
住民生活への中長期的影響にあまりにも無頓着です。

省庁再編など、官主導から政治主導に変わって20年を経過し、
政策を立案できる官僚(職員)が、職場の仕組みとしても、
また能力的にも、減ってきていると感じます。

いま、政策的な視点で、住民要望を評価・分析し、よりよい方策を立案・選択できる専門家がどれだけいるでしょうか。

そのうえ、いま、

行政は政策立案を公民連携で企業に委ねてきています。

住民要望は、長中期的影響を検証せず、単純化され、企業利益のために使われる一方で、
企業の利益(中でも外国投資家・グローバル投資家)を守るための政策は、実に緻密に作られていると驚きますが。

 


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