新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月18日 その2 私の大谷翔平論

2024-04-18 08:29:32 | コラム
デーブ・ロバーツ監督が大谷に苦言を呈した:

デイリースポーツだったかが、このように報じていたのを受けて、冷静なる評論家としてあらためて大谷翔平論を展開してみようと思う。

これまでに何度も「大谷翔平は希代の素質の持ち主で最高の逸材である」と論じてきた。そして、実際にアメリカン・リーグのLAエンジェルスでtwo-way playerとして二度もMVPを獲得して、その素質MLBに転じて一層磨き上げたことを立証して見せた。更にはナショナル・リーグのLA Dodgersに史上最高の年俸を獲得して移籍した。途中で2度の肘の手術を受けたが、順風満帆と言っても良い状況だろう。

我が国のテレビも新聞も大谷の活躍振りを連日真っ先に取り上げて、視聴者/聴取者/読者を良い心地を味あわせている。当方はこの大谷賞賛の状況は「大谷の神格化にも近いのではないか」とすら指摘した。いや、この報道の仕方は「自民党の裏金問題処理の不手際」の報道や「円安を阻止し切れていない後手踏みの日銀と財務省」を論じるよりも遙かに良いニュースであるのは間違いない。彼等は競って「何時、松井秀喜の記録を破るか」を流している。

だが「一寸待ってくれ」と言いたいのだ。私が指摘し始めた大谷の「しゃくり上げ打法」では、未だにボールの上っ面を叩くので、鋭いゴロのヒットばかりを量産して、恰も大谷が「打率狙い」のバッターに方針転換したが如きである。あの打ち方では何れは「apple to apple」の比較ではないまでも、松井の記録を抜くのは間違いないだろう。だが、マスコミに言いたいことは「記録のことだけではなく、打ち方の違いも少しは論じろ」なのだ。

Angels在籍中から(言うなれば天をも恐れぬ所業で)指摘してきてしてきたことがあった。それは「Angelsは下位球団であり恐ろしい打者は大谷とトラウトくらいしかいなかったので、走者無しで大谷が出てきた場合にはホームランを打たれても1点を失うだけだから」と勝負してくれた。

だから、大谷は1人で帰ってきていた「ソロホームラン」が多かったが、打点は上がっていた。しかしながら、打率は中々3割に届かなかった。要するに「大谷はMLB最高の強打者かも知れないが、イチローのような巧みな打者とは言えないという事。

言い方は悪くなるのを承知で言えば「弱小ティーム」の強打者だったが、これは大谷の責任ではないと言える。しかし、「間違っていたらご免なさい」だが、大谷はチャンスに強いバッターではなかったようだったし、反対方向にも巧みに持っていく巧みな打者ではないのだ。その背景には相手ティームが「大谷を四球攻めにするか、申告敬遠(intentional walk)にしてしまうので、タイムリーヒットを打つ訓練(OJT)が出来ていなかったのではないか」なのだ。

ところが、Dodgersに来ては前にベッツというMVPの好打者がいて出塁しまくるので、大谷はどうしてもRBI(打点)を稼ぐヒットを打たねばならない立場にあるのではないのか。Angelsの頃とは与えられた条件が違いすぎるし、経験していなかった立場に置かれたのだ。しかも、一度調整が微妙に狂った打法では打球が上がらず、RBIも稼げていないので、ロバーツ監督に「焦らずに打て。初球から行くな」と苦言を呈されてしまったようだ。

我が国では大谷は大選手として賞賛され、それに相応しい報道のされ方だ。だが、強豪球団のDodgersでは大谷をどのように扱っているかの実態をマスコミは伝えようとしていないのではないのか。Dodgersが歓迎はしたが、それは不世出の大選手として尊重しているのか、強打の2番を打たせるDHを取ったので、それ相応の扱い方で、ロバーツ監督はRBIを稼げない2番打者に苦言を呈したのか。この実態はこちらにいては不明なのだ。

既に、野球には通暁している我が友SM氏は「大谷の人気はカリフォルニア州内では勿論高いが、他の州ではそれほどまでには盛り上がっていないようだ」と伝えてくれていた。私は今日までに繰り返して「我が国のマスコミの贔屓の引き倒し的な過剰な賞賛というか持ち上げの報道の仕方」を糾弾してきた。

大谷がそんな事で慢心する選手ではないと思うが、彼等マスコミは賞賛一辺倒の方式を改めても良い頃ではないのか。ロバーツ監督に「ご発言の真意は」くらいの取材に伺っても良いのではないのか。

大谷がナショナルズ戦に見せた打率を稼ごうとするかのような巧みな打法に変わった感がある(アウトサイドの低目をレフトの前に軽打した)背景には何があるのか、何時になったらしゃくり上げ打法からWBCの時のような目にも止まらないスゥイングに戻すのか辺りの取材をして欲しいものだ。結局はマスコミ批判になった。


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