序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

プレーバック劇団芝居屋第40回公演「立飲み横丁物語」NO5

2022-11-26 16:54:20 | 演出家
なんやかやありまして中断してしまいましたが気を取り直してまいりましょう。

第二場 「三つの情景」の二つ目。

瀬村組配下大村組大村大輔宅・茶の間

三年振りの祭りが開催される事が決まって、その責任の重さに飲む三代目瀬村組組長村山健三のやけ酒とは違い、只々うれしい祝い酒の大村大輔は愛妻の綾子といい機嫌になっております。


綾子 「結構飲んだねえ」
大輔 「ああ、久しぶりにうれしい酒だった」
綾子 「あんたのそんなうれしそうな顔を見れて、あたしゃ幸せだよ」


大輔 「綾子、オメエには苦労の掛けっぱなしだったがよ、もうこれからは大丈夫だ。祭りができればこっちのもんさ。これからは今までの分を取り返すつもりでバリバリやるぜ」
綾子 「でもさ、大丈夫かい。海道神社の例祭まで後一か月もないんだよ。店の手配や材料の仕入れなんか、かかるものは大きいからね」
大輔 「・・・大丈夫と太鼓判を押せねえが・・これを乗り切れば自転車操業だが何とかなる。とにかくこっちで作れるだけの金を作って、後は親分にまかしゃ大丈夫だ、何とかなる。なんたって俺たちの商売は信用が第一だ、今まで誤魔化しなしに真っ正直にやってきたんだ、それを世間は見ててくれるさ」
綾子 「そうだね、あたしもできるだけかき集めてみるよ」
大輔 「頼む、そうしてくれ」
綾子 「わかったよ」


同じ的屋でもやはりその立場立場で抱えているものは違いますよね。
でも困難に二人そろって立ち向かう状況はいやが上にも二人の絆を固くします。
大輔のこれからの夢を聞いた綾子は感激し。

綾子 「ホントだよ、あんたは根っからの的屋さんだ」
大輔 「うれしいこと言ってくれるぜ。そんな事いったら惚れちまうだろうが」
綾子 「いいよ、惚れても」


大輔 「(鼻を鳴らし)・・・もう遅いし明日もあるから寝るとしようか」


綾子 「そうだね、そうしようよ、あ・ん・た」
大輔 「ワオーン!」

お後がよろしいようで。
三つ目に続く。


撮影 鈴木淳


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