女装子愛好クラブ

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女装妻『名古屋妻の幸せ』

2021年12月08日 | ★女装体験記
10年ほど前「女装妻の井戸端会議」というBBSがありました。
ここは、男を捨て女になって妻になって男に尽くすという体験談が満載でしたので、私も楽しみに読んでおりました。

しかし、ここもいつしか消滅してしまいました。
でも、古いフォルダーを探していたら、いくつかの体験談がでてきました。
そのなかでも私が好きなのが、名古屋妻の「幸せ」。
女装者のあやかさんの切なさと情念が切々と書かれています。
これも女装者の記録だと思いますので、再録します。
時期ですが、私のハードディスクの保存日を見ると2009年となっています。

名古屋妻の「幸せ」(1) 

この掲示板は「妻」がテーマになっているようですから、私には書く資格がな
いかもしれません。ある意味、今の私の立場は「妻の敵」ですから。
でも、皆さんのすてきな出会いを読んでいるうち、私も「彼とのこと」を書い
てみたくなりました。
というか、もっと正直に言えば、昨年暮れから私に訪れた「幸せ」を、ずっと
誰かに話したくてしかたなかったのです。しかし、絶対に、ふつうの友人に話
せるようなことではないし‥‥。ここの皆さんなら、多少は共感していただけ
るかと思い、厚かましくも出てきてしまいました。
この半年間、以前の私からは想像もできないことが次々起こり、その時私がな
にを思っていたかをこと細かに書いていたら、やたら長くなってしまいました。
(1)~(6)に分けてあります。他になにもやることがないほど暇だったら、読ん
でみてください。


女装は、若い頃から、もう20年以上楽しんできました。と言っても、結婚して
家庭を持って以来、そんな時間も場所もなくなり、ここ10年は、妻子が留守に
なる時、年に1・2度だけになっていました。
それに、指向としても、私は、鏡の前で女の子になるのが好きなだけで、女装
外出の経験も数えるほどしかありません。ましてや、男性との恋愛やセックス
なんて、とんでもないと思ってきました。

それが、去年の春、転機が訪れました。
それまで勤めていた広告関係の会社を辞め、フリーのクリエーターとして独立
したのです。パソコンさえあればできる仕事ですから、べつに自宅でもかまわ
なかったのですが、個人事務所として1LDKのマンションを借りました。家
族などには「集中したいから」などと言っていますが、もちろん、本当の理由
は別のところにあります。
事務所といっても(たまに打ち合わせで人が来ることはありますが)、通常、
私一人。受注や納品なども、今はたいていメールでこと足りる(ファイルの形
で添付して納品することが多い)ので、1日中、どこにも出ず誰とも会わない
ことが少なくありません。そんな日は、朝「出勤」するとすぐ女装し、夜帰る
まで、ずっと女の子姿でパソコンに向かっています。実際に仕事場兼応接室と
して使っているのはリビングの方だけで、あと一部屋は、メイクルームと化し
ています。そのクローゼットや鏡台の中の女物や化粧品も、この間、ずいぶん
増えました。

そんな、私にすれば天国のような環境を手に入れたのですが、人間というのは
やっかいなもので、それに慣れてくると、ちょっと飽き足らなくなってきます。
秋も深まったある夜、魔がさしたというか、発作的に冒険したい気分になり
(家には帰りが遅くなると電話して)久しぶりに女装で外に出ました。

行った先は、仕事場からもさほど遠くない女装スナック。10年近く前に二度ほ
ど、唯一と言っていい女装友だちに連れて行ってもらった店です。
わりと誰でもウエルカムな店だとはいえ、突然行ったので店内に知り合いもお
らず、その上、私はまったくの下戸で酒も飲めず、常連さんたちのおしゃべり
に入りきれないまま、おとなしくジンジャエールを飲んでいました。
そこに声をかけてきたのが彼でした。

見たところ、年齢は私と同じくらい。でも、長身でアメフトでもしていそうな
がっちりした背広姿や、低く落ち着いた話し声は、本人が女装するとは思いに
くい。一方でどこか雰囲気になじめない感じは、やはり常連でもなさそうです。
自然に、まわりから取り残されている二人で話す形になり、しばらく探り合い
のような会話がつづきました。
それによれば、彼は東京在住で、出張で名古屋に来ているのだとか。前から素
人の女装者に興味はあったのだけれど、この手の店に近づいたことはなく、ホ
テルに戻る途中たまたま見かけたので、旅先の気楽さもあって、思い切って入
ってみたのだということでした。
しばらくそんな話をつづけていたのですが、お互い、そこにいるのが落ち着か
ないこともあり、どちらからともなく「そろそろ、出ようか」ということにな
りました。
そこで、彼が私の分まで払ってくれたことに驚き、お礼を言おうと思っている
うちに、なんとなく、夜の街を二人並んで歩く流れになってしまいました。
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