中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

長時間労働などで

2022年01月18日 | 情報

パソコンの絶不調(あるいは、小職の知識不足)で、アップが大幅に遅れました。

当該事案の報道についての印象

○時事;「発症5カ月前には約71時間の時間外労働をしたことで強い心理的負荷がかかり、うつ病を発症したと認定した。」は、説明不足または、表現力不足。さらに労働行政に対する理解不足を感じます。
○弁護士ドットコム;「労基署はパワハラと認定せず、「業務指導の範囲内と評価できる指導・叱責」とした。」は、もやもやした労基署認定ですが、証拠不足が原因なのでしょうか?

製薬会社社員の自殺、労災認定 業務で心理的負荷、うつ病に 労基署
1/14(金) 時事

アステラス製薬(東京都中央区)の男性社員=当時(33)=が2019年に自殺し、中央労働基準監督署(文京区)がうつ病が原因と労災認定したことが14日、分かった。
遺族らが記者会見して明らかにした。
代理人弁護士によると、09年に入社した男性は、医薬情報担当者(MR)を経て、15年から医師向けの講演会などを運営する担当へ異動した。16年4月にうつ病と診断された後、19年12月、都内の自宅で自殺した。
労基署は、男性が経験のない業務に従事する中、発症5カ月前には約71時間の時間外労働をしたことで強い心理的負荷がかかり、うつ病を発症したと認定した。
「お前なんてクビと言われた」など、男性上司らからの叱責を訴えるメッセージも残っていたが、労基署はパワーハラスメントを認定しなかった。
男性の父親(68)=山口県=は会見で、「ハラスメントをした上司や職場に怒りがある。同じことが起きないよう改革して」と訴えた。
アステラス製薬の話 社員の自殺は事実で重く受け止めている。詳細はお答えできない。 


アステラス製薬の30代男性が過労自殺 長時間労働などでうつ病に、労災認定
1/14(金) 弁護士ドットコムニュース

アステラス製薬(東京都中央区)に勤務していた当時33歳の男性が2019年12月に自殺したのは、長時間労働などが原因だったとして、中央労働基準監督署(東京都文京区)が2021年12月24日付で労災認定した。遺族と代理人が1月14日、会見を開いて明らかにした。
遺族は「労災と認定していただき、率直にありがたく思っています。息子に対して不適切な対応を取っていた上司、職場に怒りがあります。アステラス製薬は人の命を守る薬を作っています。同じように社員の命も守ってください、社員の人権も守ってください」と訴えた。

・友人にLINE「かなり叱責される」
代理人弁護士によると、男性は2009年4月にアステラス製薬に新卒入社。MRとして勤務し、社内公募で選考を通過して、2015年10月から花形部署とされるプロダクトマーケティング部に異動した。
異動後、それまで経験したことのない学会やセミナーの運営業務などを担当するようになり、先輩や上司から厳しい叱責を受けるようになった。男性は友人や知人に「俺29年生きてきて今が一番怒られてますね」、「かなり叱責される」、「書類を作っても全部差し戻しになる」などと話しており、悩んでいる様子だったという。
その後、会社に出社できなくなり、2016年4月にうつ病と診断された。それから復職と休職を繰り返したが、早期退職の応募期限であった2019年12月に自宅で亡くなった。

パワハラ認定せず「踏み込んだ調査を」
労基署は発病前5カ月の残業時間を71時間と認定。配置転換があったことや、仕事内容・仕事量の大きな変化についてそれぞれ心理的な負荷の程度を「中」とし、総合的評価を「強」と認定した。
先輩や上司から強い叱責を受けていたことがうかがえるLINEなども残っていたが、労基署はパワハラと認定せず、「業務指導の範囲内と評価できる指導・叱責」とした。
代理人の川人博弁護士は「関係者の確たる証言が得られなかったということでしょうが、パワハラを無くすという観点からも、もっと踏み込んで調査をしていただきたかった」と話した。

・会社側のコメントは
アステラス製薬は弁護士ドットコムニュースの取材に、以下のようにコメントした。
「アステラス製薬の社員が2019年に自殺されたことは事実です。当社社員が亡くなったことを大変重く受け止めており、改めてお悔やみ申し上げます。本件に関し労働基準監督署からのヒアリングにこれまで誠意を持って対応してまいりました。労災認定されたことは、代理人弁護士を通じて本日認識したところですが、その理由について把握しておらず、現段階で詳細についてはお答えできません」

(再掲)
過労死ライン未満でも労災 労基署、新基準で認定
2021年12月23日 時事

居酒屋チェーン「庄や」で勤務中に脳内出血し、後遺症が残った元調理師の男性(62)について、労働基準監督署が過労死ラインに満たない残業時間でも労災認定していたことが23日、分かった。9月に新しい認定基準が定められたことを踏まえ、申請を退けた当初の決定を取り消した。認定は今月6日付。厚生労働省によると、新基準に基づいて決定が取り消され、労災認定されたのは初めて
男性と代理人の松丸正弁護士が23日、東京都内で記者会見して明らかにした。松丸弁護士によると、男性は2016年1月、千葉県柏市の店舗で勤務中、脳内出血して救急搬送され、左半身まひの後遺症を負った。同年3月に労災申請したが認められず、19年6月、国に対し決定の取り消しを求めて東京地裁に提訴した。
その後、厚労省が新基準を定め、残業時間が発症前2~6カ月間の月平均80時間超などとした従来の過労死ラインに満たなくても、これに近い水準の場合は、労働時間以外の負荷も総合的に考慮して判断するとした。これを踏まえ、柏労基署は男性の直近2カ月の残業時間が月平均約75時間

だったことなどから、決定を取り消した。
松丸弁護士は「新認定基準により、過労死ラインに達していなくても救済の門戸が広がったことを示すものだ」としている。男性は「諦めずに訴え続けて良かった」と話した。

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