奄美 海風blog

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映画『私の頭の中の消しゴム』韓国 2004年

2024年05月13日 | 映画

ヒロインを演じたソン・イェジンは、後にあの「愛の不時着」で知った。
それも見る気になった一因だった。韓国で2004年に公開というから古い。ソン・イェジンも若い。

2004年と言えば、アジアと世界での韓流ブームのはじまりとなった、あの「冬のソナタ」が日本の地上波で初めて放送された年だ。(韓国では2002年。日本のbsでは2003年)

見る気になったもうひとつの理由は、相手役のチョン・ウソン。
端正な顔立ちのイメージが強い韓国の俳優のなかで彼は、どこか野性的(素顔はやはり端正でスマートなのだが)な雰囲気を漂わせていた。

それで、ドラマ自体が面白くなりそうな感じがしてみていた。見ているうちにどこかに日本のドラマ的だな?と思ったら原作は、日本のテレビドラマ『Pure Soul〜君が僕を忘れても〜』(2001年)だという。冒頭のコンビニは、韓国のファミリーマートだった。(入口のドアに縦書きのfamily martが見えた)だがレジが「ちぇ、また故障だ」は日本的とはいえないW。ほかにもそう思うところはいくつかあった。それは余談だが。

本作は2004年の日本のテレビドラマ『Pure Soul〜君が僕を忘れても〜
のリメイク作品で両国で大ヒットしたらしい。タイトルとしては原作のほうがいいなあ。

ちなみに、2024年5月7日のウェブニュースで、日本のテレビ各局のドラマで「記憶喪失」ものが、続出しているというニュースを見た。

Wikipedia 映画「私の頭の中の消しゴム」は韓国で2004年に公開され、公開後3週連続1位の大ヒット。 日本では翌2005年に公開され、やはり大ヒットした。 日本では2020年に「パラサイト 半地下の家族」に抜かれるまで、韓国映画の歴代興行収入トップだった。 ヒロインを演じるのは、後に「愛の不時着」でも話題となるソン・イェジンだ。

 


映画『ありふれた悪事』(字幕版)韓国 2017年12月09日 122分

2024年05月10日 | 映画

ありふれた悪事(字幕版)

怖い話ではあるがわかりやすい筋書きで、のんびり見た。

ほとんど馴染のない俳優ばかりだったが、それもおおいなる”味”である。外国の映画がおもしろそうに思える要素のひとつだとおもう。(なじみに俳優ばかりだと、それで筋書きまでみえてしまう場合があるのだ)演技の質はいい。

韓国の軍事独裁政権末期、国家安全企画部に捏造捜査を命じられ、陰謀に巻き込まれていく刑事を主人公に、韓国の暗部を描いたサスペンス、と分類される。

お茶の間ではあまり見ることはできない内容だ。 

韓国の国家情報院は日本の公安委員会みないなものだろうか。

大韓民国国家情報院(だいかんみんこく こっかじょうほういん、英語: National Intelligence Service)は、韓国の大統領直属の情報機関・秘密警察。

1961年6月10日に設立された中央情報部(KCIA)を直接の前身とし、それを拡大改組する形で1981年4月8日に創設された国家安全企画部(英語: Agency for National Security Planning)を経て、1999年1月21日、国家安全企画部を縮小改組する形で創設された。


『生きる LIVING』(原題:Living)2022年 イギリス

2024年05月07日 | 映画

wikipedia『生きる LIVING』(いきる リビング、原題:Living)は、2022年のイギリスのドラマ映画。1952年の黒澤明の日本映画『生きる』のリメイク作品で、オリヴァー・ハーマナス(英語版)が監督、カズオ・イシグロが脚本を務めた。1953年のロンドンを舞台に、ビル・ナイが演じる官僚のウィリアムズが余命半年を宣告され、自分自身の人生を見つめ直す姿を描いている。

リメイクという単語の意味は(すべての芸術は模倣からとも言われ)、けっこう複雑だが
よくできたリメイクだと思う。

目立たないところで原作との違いを吟味してみて
両作互いの素晴らしさ(独自性)が浮き立つ。これは少し驚きだった。

たとえば「ゴンドラの唄」が「ナナカマドの木The Rowan tree」スコットランド民謡」
に代わっているのは目立つ違いのひとつなのだが、その歌詞の違いは目立つわけではない。(作中2度歌われたと思う)

歌詞の違いは本作の他の、目立たない違いにも通底している。あげれはきりがないほどだ。
そこに脚本のカズオ・イシグロのこだわり(強い主張ではない)がうかがえる。
イシグロは小津安二郎の影響も受けたと言われ、そう思うと黒澤版との違いは感動的でさえある。

志村喬の朴訥とした演技とビル・ナイの落ち着いた抑制的な演技も実は大きな違いだ。

本作も原作も主人公が余命宣告されているのだが、ドラマでは突然死んでしまう印象で、すぐに葬儀の場面に移ってしまうところは同じだった。

そして後半では役所の上司や部下たち、関係者による主人公の最期が回想シーンによって生き生きとして甦る。
黒澤版のそのシーンのめくるめくシークエンスはテンポもあって圧倒される。中村伸郎(なかむら のぶお)助役の飄々としていやらしいインテリしゃべりが圧巻。

しかし本作では、そのシーンも抑制的で、代わりに観るものに静かにせまる宗教的とも言える雰囲気も。イシグロはここでも若者にライトを当てている。(物語の始めと終わりにも新人の公務員ピーターが登場し、若者の視点もおおきなファクターになっていることも特筆されてよい)

葬儀の翌日も役場のひとたちは、カラッとして、お役所仕事に戻ってしまうのだった。
それは両作とも、淡々と静かに描かれているのだが、
このモチーフがなかったなら「生きる」は、これほどの命脈を保ち得ただろうか。

いつか現在の東京、ロンドンに舞台を移したリメイク作品もできるかもしれない。


2022年製作 103分 イギリス
配給 東宝
劇場公開日:2023年3月31日


プルメリア(Plumeria)新芽  ジュズサンゴ

2024年05月07日 | 植物

↑ Wikipedia プルメリア(Plumeria)はキョウチクトウ科インドソケイ属に属する植物の一般的な総称である。通常落葉樹で、花を付ける小灌木である。

和名
ジュズサンゴ ジュズサンゴ科
英名 
rougeplant pigeonberry, bloodberry
ジュズサンゴ Rivinia humilis は以前はヤマゴボウ科とされていた植物の1つ。細長く伸びる穂に白い花を並べて着け、また果実が赤くなって美しい。日本では外来種として一部で定着している

 


赤崎公園 島育ち の歌碑 

2024年05月03日 | うんちく・小ネタ

空前の視聴率81.4%を記録(8000万人が見た)した第14回紅白歌合戦(1963年 昭和38年)。

時代は東京オリンピックを翌年に控え、戦後の復興から高度経済成長へと突き進むまぶしいばかりの時代。

実はこの紅白では驚くべきことに、奄美の歌が何と4曲も歌われたことは、あまり知られてはいない。

↑ 写真(奄美市名瀬赤崎公園 島育ちの碑)の、島育ち(歌唱:田畑義男)
ほか、仲宗根美樹(奄美恋しや)朝丘雪路(永良部百合の花)
三沢あけみ(島のブルース)

NHK紅白歌合戦ヒストリー https://www.nhk.or.jp/kouhaku/history/history_14.html
でお確かめください。

4曲も歌われたことは、2023年12月に奄美文化センター(川商ホール)で行われた新 BS日本の歌の収録でも言及された。


映画『KCIA 南山の部長たち』(The Man Standing Next)2020年の韓国

2024年05月02日 | 映画

『KCIA 南山の部長たち』(The Man Standing Next)2020年の韓国

KCIA 南山(なむさん)の部長たち

Wikipediaで1979年10月26日に実際に起きた「朴正煕暗殺事件(パク・チョンヒあんさつじけん、ぼく・せいきあんさつじけん)を改めて調べてみたが、現実の事件現場のディテールも偶然や予想外の出来事で衝撃的。ドラマはフィクションとして描かれる。

大韓民国中央情報部部長(KCIA)部長の金載圭は朴大統領の古い友人であったという
こと知っているとすこし楽に映画とたのしめると思う。英題のThe Man Standing Nextはナンバー2とか、最側近、右腕、あるいは懐刀とかいったところか。権力者のまわりの人間関係の複雑で微妙な心理の変化をを主眼においたドラマの展開だったとおもう。

ドラマの展開は、韓国現代史に照らしても興味深い展開をみせる。事件の経緯やその背景も非常に複雑で、昨今の韓国の政治状況を観る上でも参考になる事件だ。

 

子供のころはテレビ、ラジオの”李承晩ライン”でおなじみだった韓国。
その後はあいまいな知識。

大韓民国建国以来の大統領である李承晩の独裁権力が1960年4月に起こった学生による四月革命によって退陣に追いこまれ、民主的な政権が誕生した。それを倒して成立し、60~70年代に韓国の軍事独裁政権の時代を現出させた朴正熙政権。その内実はどうだったのか。
(韓国歴代大統領の多くがたどる逮捕や自殺など「悲惨な末路」は有名)

かの1965年6月の日韓基本条約(佐藤栄作と朴正煕大統領との間で締結)も
こうした開発独裁の時代に成立したことを思えば現在の韓国の度重なる「ちゃぶ台返し」
も少しは理解できそうに思うのだが・・・この映画の主眼はそれではなかろう。あくまでも閣下と部長たちの確執、それに疑心暗鬼、それが惹起する第三者を巻き込んだ心理的駆け引き、葛藤、権力闘争などなどだ。

主役のイ・ビョンホンはじめ俳優陣の熱演にもひかれる。
現実に起きた事件の背景や経緯、歴史的な意味などは、知りつくした上で鑑賞してください、詳しく知らなくてもけっこうです、というスタンスの映画づくりだ。だから面白いという、さすがの映画づくり。


映画『天命の城』2017年製作 韓国  原題:The Fortress

2024年04月29日 | 映画

明が衰退し清が朝鮮にも攻め込んできた丙子の役(1636年)。苦悩する絶体絶命の朝鮮王仁祖。

仁祖(じんそ、インジョ、1595年12月7日 - 1649年6月17日、在位:1623年4月12日 - 1649年6月17日)は李氏朝鮮時代の第16代国王

1636年12月14日 清の大軍が鴨緑江(アムノッカン 北朝鮮)を超え朝鮮に侵入した。後金は国号を清と改め朝鮮に臣従するよう強要した。という字幕から始まった。

ある程度のネタバレはあってもよいと、昔ネットを使い始めた頃よく使っていた「世界史の窓」というサイトを久しぶりに訪れた(今もけっこう人気なサイトらしい)

清王朝は、17世紀半ばから1912年まで中国全土とモンゴルを支配した。 その母体は、中国東北部の満洲で、1616年に満洲人(女真族)が建国した「後金(こうきん)」である。 後金はその後、中国全土とモンゴルを手中に収め、国名を清と改めた。

天命の城とは、南漢山城(なんかんさんじょう ソウルの中心部から東南に25km)のこと。

副題はないが、天命のとは、よいタイトルだと思う。原題:The Fortress 要塞はやや味気ない。

進も地獄退くも地獄。
すぐに、半藤一利『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日』1985年を思い出した。映画1967

小中華思想. 事大主義など、
歴史問題、日本統治、日韓基本条約等現在の日韓関係を考える上でも非常に大切な歴史の問題な問題だと思う。(南島暮らしの歳寄りには朝鮮の厳しい自然、寒さにも身にしみる)

またしても、王・仁祖役がパク・ヘイルと気づくまで時間がかかった。多彩な役で繊細な演技、とくに三跪九叩頭の礼のシーンは、カメラとともに気合がかんじられたクライマックス。

庶民の視点もしっかり取り入れた映画作りはさずがだ。リアルすぎる戦闘シーンもあったが映像的にも秀逸だとおもう。

丙子の役は47日間後1637年1月30日に集結。春にはいつもようにタンポポの花が咲いた。

ソウル 景福宮(キョンボックン)のタンポポとスミレ 23年6月


道端のグラジオラスとクチナシの花

2024年04月23日 | ありふれた林道写真

新タブレットから投稿。撮影も。

 


映画『マルモイ ことばあつめ』2019年 韓国

2024年04月16日 | 映画

映画『マルモイ ことばあつめ』予告編

盗みなどで生計をたてていたお調子者のパンス役のユ・へジン
親日派の父親を持つ裕福な家庭の息子ジョンファン役のユン・ゲサン
は物語上の人物象も役者の雰囲気も著しく対照的で、それだけでおもしろい。
 映画のエンタメ性を無視しない映画作りはさすがで、史実云々の議論を吹き飛ばしてしまう。

日本統治時代の朝鮮半島で実際に起きた朝鮮語学会事件(1942年に日本統治時代の朝鮮で起きた朝鮮語弾圧事件)を基に、朝鮮語の辞書を出版するために奮闘した人々の姿が描かれている。

創氏改名(皇民化政策の一つで、朝鮮人の固有の姓を日本式の名前に改めさせようとした政策。1939年(昭和14)公布)が推し進めらている時代。この映画の製作年は、1919年(大正8年)日本統治下の朝鮮で起こった民族独立運動三・一運動(さん・いちうんどう、サミルうんどう)から100周年の年にあたる。
映画の時代はそれから約20年、韓国併合(朝鮮併合、日韓併合、日韓合邦)は1910年(明治43年)からは30年。

むかし島の学校でも体験した方言撲滅(標準語励行運動)だいぶ事柄の性格がちがう。

偶然だろうが、NHKドラマ「舟を編む 〜私、辞書つくります〜」がきのう最終回だったらしく、最期の部分だけみた。

 

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2021年11月27日 | 映画


『いつか家族に』 2015年 韓国 2時間 4分 ハ・ジョンウ監督・主演

2024年04月12日 | 映画

朝鮮戦争終戦(休戦)直後の1953年。韓国の貧しい田舎町。
現場仕事で食いつないでいる主人公サムグァン(ハ・ジョンウ)はポップコーン売りの女性に一目ぼ・・・ところが、といういう始まり。

味わい深い映像のおかげで、序盤のやや荒っぽい話の展開も我慢できた。

いつかB級に転落するのではないか、という不安も子役たちの名演で持ちこたえた 。

じわ~っとにじむようなコメディがいくつか配されていて、泣けるシーンではそれが再び滲んでくる、という具合にきちんと回収され、涙増幅。たんなるお涙ちょうだいではない。

主人公役のハ・ジョンウがメガホンもとったという。

タイトルの『いつか家族に』の’’いつか’’でも分かるように、売血と血縁が滲むブラックユーモアで包まれている。

2015年製作/124分/G/韓国
原題:Chronicle of a Blood Merchant
配給:ファインフィルムズ
劇場公開日:2018年12月22日

 

Wikipedia「いつか家族に」 中国の作家・余華のベストセラー『血を売る男』を、舞台を韓国に移し、「チェイサー」「哀しき獣」のハ・ジョンウの監督・主演で映画化した家族ドラマ。朝鮮戦争休戦直後の激動の時代の中で、貧しいながらも家族と幸せに暮らしていた主人公が、病気の息子を救うために奔走する、血よりも強い家族の絆を描く。共演にハ・ジウォン。1953年、韓国。ある日、貧しい労働者のサムグァンは、村一番の美女オンナンに一目惚れ。しかし彼..