Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

当地愛知・明治用水施設事故に思う事

2022-05-20 22:25:19 | 社会・経済

先日の 5/17未明、当地東郊・豊田市内の矢作(やはぎ)川に設置の明治用水頭首工(とうしゅこう) にて大規模漏水が発生、一時工業・農業の両用水が停止の事態に陥ったのは広く知られる所だろう。揚水ポンプ多数の稼働や、周辺河川などからの融通を可能にする 愛知県の緊急許可などによって工業用水はある程度の供給が戻るも、農業用水の方は回復まで相当な日数を要する様だ。

用水確保の為 主な川の水流を堰き止める作用をする頭首工の機能の裏を欠く様に、施設の下に 迂回の様に水の流れる様なトンネルの生じる「パイピング現象」は予測が難しく、又 一旦生じると、過去に殆ど対応事例がない為に 復旧への道程も難しさが伴う様だ。

そうは言っても、この所与党からも話題の「食料安全保障」の今後を左右しかねない事象であるだけに、農林水産省を初めとする担当各位には 事故の経緯追及と今後に向けての確かな対応策実行を願いたいもの。又 それが従来のものとは一線を画する、新しい公共事業のあり方ではないのか。以下 昨日の読売新聞ネット記事を引用して、みて参りたい。

「大規模漏水の取水施設、工業用水の供給再開・・・水量は 3分の 1」

愛知県豊田市の 矢作川の取水施設「明治用水頭首工」で大規模な漏水が発生した問題で、県は 5/19夜、企業への工業用水の供給を再開した。

県によると、施設を所管する 東海農政局が設置した仮設ポンプで川から水をくみ上げ、企業への供給元となる浄水場に水を流し、5/19午前に浄水場での取水を再開。場内に一定量がたまり、給水可能になった。

ただ 5/19夜の時点では、浄水場に届く水量が 1/3程度にとどまっていることから、県は各事業所に対し 3割程度の使用にとどめるよう求めている。元の給水量に戻すには 施設の復旧が必要とみられ、時間がかかる見通しだ。

トヨタ自動車(豊田市) は 5/19、稼働を停止していた本社工場について 同日朝に通常通りの稼働を再開したことを明らかにした。工場内の井戸水を利用できるようになったという。5/19 の日中の稼働を停止していた 豊田自動織機・長草工場(愛知県大府市) の 2ラインも、同日夜から稼働を再開した。一方、農業用水については 供給再開のめどは立っていない。(引用ここまで)

他情報によると、復旧に際して トヨタ自などを初めとする工業関係各社が優先された事に、やはり農業関係各位から大きな不満の声が噴出していると聞く。用水は医療関係各位にも供せられ、命と健康に関わる様な分野の優先は当然としても。今日の地元・中日紙などは「東海農政局というのに、農業関係のために仕事をしてくれない」と大きく取り上げていた。生産ラインの長期停止などは納期にも悪影響を及ぼし、関係各社の信頼にも関わる事は認めるも、どうもその陰に政治性がチラついて仕方がないのも事実である。つまり、政権与党が 一面では自動車など主要製造業に対する「配慮と忖度」を農業関係各位よりも優先している様に見られるという事だ。

東欧ウクライナ危機の進行を契機に、政権与党も 食糧安保の重要性を説く立場に転じつつあるはずだ。そうである以上、行政に対し 医療や工業関係を優先せざるを得ない場面はあるにせよ、農業関係もできるだけ同等に重視して 給水の復旧を急ぐべきではないのか。

新しい情報だと、漏水を生じた「パイピング現象」のトンネルを明日にも調査開始。その上で、今月末までに 農業用水の一定復旧を目指す段取りとも聞くが、稲作の田植えが正にピークを迎えようとしている。農業用水復旧が大きく遅れる様なら、田植え向けに準備された苗がもたなくなり、考えたくはないが 一定量が廃棄のやむなきとなる可能性もゼロとはいえまいて。

生産地の気象や政情の不安、為替安などもてあって 輸入食材が値上がりしがちな情勢にあって、当地の農業に広範な悪影響が及ぶ事となっては 我々日本人に留まらず、例えば正当な在留外国人や戦乱の地を逃れたウクライナ避難民各位他の食生活を脅かす事態も考えられよう。その様になれば、政権与党の支持にも影響し、今夏の参院選にて 思わぬ苦杯を仰ぐ事ともとりかねない。

国防安保やそれに伴う憲法のあり方を含め、諸問題が山積している状況は理解する。しかしながら 今回の明治用水施設事故は、ただの地方レベルの事象に留まらないのではないか。農水省は 国所管の 390か所に及ぶ取水施設の総点検を行う方針を明かしたが、遅きに失したとはいえ  この機会に徹底して各所の問題を洗い出し、相応に費用を要しても 強い対策の実施を願いたい。

聞く所では、今回事故の 明治用水施設も築 60年超とか。大きな水回りを擁する以上、老朽化には特段の配慮が必要だったはずだ。そうした見直しを これからの新しい公共事業のあり方に反映させて行くべきではないのか。今回画像も昨年ので恐縮。田植えが一段落した 一宮市北郊の様子を。通る線路は JR東海道本線。以下に 関連記事をリンク致します。(東海TV 5/20付) 用水施設での大規模漏水…専門家が原因として指摘する“パイピング現象”とは「予見も日常点検もしづらい」(東海テレビ) - goo ニュース


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (のん子)
2022-05-22 01:35:54
大変な事態になっていますね。

勿論工場も大事ですが、優先順位をつけるとしたら食料関係が先ではないかと思いますけどね。

一日も早い復旧を祈ります。
復旧まだ力弱く (HAKASE(jnkt32))
2022-05-22 22:26:40
のん子さん、拙記事事態へのお見舞い有難うございます。

今回の様な 給水の不具合には医療優先は当然でも、
工業と農業の各分野には 少なくとも同等であって欲
しいもの。

貴指摘の通り、本当は食糧安保にも関わる農業分野
の方を先行すべきですが、政治力の問題も絡んで難
しい所もある様です。国民レベルの改善課題かも知
れません。

復旧の取り組みは始まったばかり。農業用水の復旧
も 今月中開始を目指すそうですが、何とか稲作に
支障の出ない様願いたいです。まずは お礼まで。

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