オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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「Continental Bingo(Bally, 1972) 」の検証(2)

2021年05月23日 19時07分59秒 | スロットマシン/メダルゲーム

前回のあらすじ
5リールのスロットマシン、Continental Bingo(Bally, 1972) は、フライヤーが謳う通り、確かに95通りの勝ちパターンが存在することは確認できた。しかし、レギュラーカード上にどのように番号を配置して80通りの勝ちパターンを実現しているのかがわからないので、カード上の番号をリール別に色分けして可視化してみることにした。

********* これより今回の話のはじまり ********* 

前回の記事において、「皆さんもレギュラーカードの番号の配置を考えてみてはいかが」とけしかけたところ、EM好きおじさんに、見事に正解を提示されてしまいました(前回記事のコメント欄参照)。今回はその正解の具体的なビジュアル化として、レギュラーカード上の番号をリール別に色分けしました。使用する色は、以下のように各リールに割り当てました。なお、ついでにスーパーカードと「B-I-N-G-O」のスペルシンボルも色分けしてみます。

第1リール:桃
第2リール:緑
第3リール:青
第4リール:黄
第5リール:橙

各リールの番号がどこに配置されているかを色分けした図。

なるほど。一つのリールに配されている5つの番号は、ビンゴカード上では右上がりの斜め線上に配置されていました。5個に満たない線上の場合は、不足分と同数の別の線上に配置しています。答えを知ってしまえば当たり前のことのように見えますが、ワタシ程度のドタマではこのパターンに気づくまではちょっと時間がかかりそうです。

なお、「スーパーカード」の方は、4つの「コーナーズ」にはそれぞれ異なるリールの番号を配する必要があるので、必然的に中央の番号は残る一つのリールの番号を配する必要があることに気づかされました。そして、コーナーの番号と同じリールにある番号は、コーナーから桂馬の位置に配置しています。これも知ってしまえば当たり前のことですが、こうして可視化する前は気づいていませんでした。

次に、リール上に配されている番号の個数を、同じカード上に反映させてみました。

各番号の、リール上に配されている個数。ビンゴカードの上の「3-5-3-6-5」は、左から順にスペルネームシンボル「B-I-N-G-O」の個数。

さて、この情報があれば、それぞれのペイアウト率を計算することができます。そこでワタシも、エクセルで検証を試みてみたのですが、仕様書よりも0.1754%高い、「89.4195%」という数字が出てきてしまいました。

これは、1回のゲーム中で二つ以上の勝ちパターンが重複して発生するケースを考慮していないからだということはすぐに見当が付きました。このゲームでは、勝ちパターンが重複した場合は配当が高い方だけ支払うことになっており、配当表にも「ONLY HIGHEST WINNER PAID」との注意書きがあります。

そこで、どんな重複があるかを考えてみたところ、

・通常ラインの3-IN-LINEと、スーパーラインのANY 2またはANY3
・通常ラインの4-IN-LINEと、スーパーラインのANY 2
・スーパーカードの3-IN-LINEと、スーパーラインのANY 2またはANY3
・スペルネームの3並びと、スーパーラインのANY 2

と、結構たくさんあることが判明しました。それぞれの勝ちパターンについて他の勝ちパターンと重複する個数を数えるのは、理屈の上では難しい話ではないのですが、非常に面倒な作業になります。結局ペイアウト率の検証は挫折してしまいました。

パソコンにエクセルなどという極めて便利なツールがあってさえ一筋縄ではいかないこの計算を、1970年代初頭のBallyはどうやって、どれだけの労力を費やして行っていたのでしょうか。いや、単にワタシのドタマの回転が鈍いだけと言われても否定はいたしませんけれども。この積み残し問題は、いつの日か、隠居して暇なときにでも再チャレンジすることにします。

(このシリーズ・おわり)


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
thanks (caitlyn)
2021-05-26 23:57:28
this is great, thanks for laying out the odds like this.

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