「世界が違って見える日」というアルバムタイトルは、実に奥深い。
こんな時代だから尚更だ。
僕は年初に、そのタイトルが発表された時から興奮し、発売日を心待ちにしていた。
発売に先駆け、みゆきさんの公式YouTubeで、トレーラーが公開されて以降は、いてもたってもいられなくなったほど。
そして。
先月末、素敵な特典とともに、満を持してゲットした時は、大いに興奮したことを思い出す。
それ以降、僕は毎日のように聞き続けているが、聞けば聞くほど、これまた味わい深い作品で、感動せずにはいられない。
「世界が違って見える日」の歌詞ブックレットには、そのタイトルに絡んだ《あとがき》がついている。
「世界が違って見える日」は配信バージョンもあるが、データ配信版では、この《あとがき》を読むことができないため、ディスク版には大きな価値がある。
ブックレットには、この他、8曲目の「心月(つき)」と10曲目の「夢の京(みやこ)」についての作者註も掲載されており、僕は、非常に興味深かった。
みゆきさんは、これまで、自身のアルバムブックレットに、このようなあとがきや注釈をつけたことがなかったからだ。
いったいどういう心境の変化なんだろう…と思いながら、僕は毎日聞き続けていたが、その謎がついに解明された。
みゆきさんにとって、3,4年ぶりだと言うこのインタビューで、みゆきさん自身が語ってくださったのだ。
いやぁ、素晴らしい。このインタビューは、本当に素晴らしい。
コロナ自粛期間におけるみゆきさんの近況や、《夜会》の話などに始まり、「世界が違って見える日」収録の各曲について、実に詳しい内容が語られている。
TVドラマ主題歌として、先行発売された「俱(とも)に」の話から始まり…’。
「乱世」のボーカルに隠された秘密。
「噤(つぐみ)」と「心月(つき)」の繋がりとは。
セルフカバー「十年」に、あっと驚く改変が。
「体温」に吉田拓郎が参加した理由は。
「天女の話」エンディングの不思議。
…などなど、個人的には目から鱗の逸話ばかりだった。
このインタビューを読んだ後、あらためて「世界が違って見える日」を聞いてみると、収録曲たちが違って聞こえるほど。
それは、誇張でも虚飾でもなく、まぎれもない事実。
嘘だと思うなら、このインタビューをしっかり読んで、そして各曲を聴き直してみて欲しい。
みゆきさんの言葉が、さらに大きく突き刺さってくる筈だ。
いやぁ、こんな素晴らしいインタビューを無料で読むことができるなんて、いい時代になったなぁ…。
掲載媒体「音楽ナタリー」編集部の方々に感謝。
そして、みゆきさんから、珠玉のコメントを引き出してくださった、インタビュアーの藤井徹貫さんに、心から敬意を表したい。