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今日の筆洗

2024年05月02日 | Weblog
 1960年代後半の反ベトナム戦争を訴える学生運動を描いた米映画の『いちご白書』。舞台は架空の大学だが、話は68年4月のコロンビア大学(ニューヨーク)紛争に身を置いた学生の手記に基づいている▼学生の要求は貧しい人々の憩いの場を奪いかねない体育館建設の中止。もうひとつは国防総省の研究機関と大学の関係解消だった。学生には大学がベトナム戦争に加担しているように映った。デモの学生と警官隊が衝突し、数百人が逮捕され、大勢の負傷者が出た。映画の悲劇的な場面を思い出す▼「『いちご白書』をもう一度」という歌があったが、名門校の56年後の「もう一度」が心配である。コロンビア大学でイスラエルのパレスチナ自治区ガザへの攻撃に抗議するデモが拡大し、ついには警官隊が学生の占拠するホールに突入する事態となった▼学生らはイスラエルに肩入れするバイデン政権を非難し、大学側に対してはガザ攻撃で利益を上げているとされる企業との関係を断つよう訴えている。惨状に黙っていられなかったのだろう。抗議の動きは他の大学にも広がる。若者の声に政治はどう向き合い、応えるか▼「いちご白書」とは当時の大学幹部が学生の主張を甘く、子どもっぽいと冷やかした言葉だそうだ▼ガザ攻撃を一刻も早く止めたい-。真剣な願いを子どもっぽい「いちご白書」とは片付けられまい。
 
 

 


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