じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

小池真理子「死に水」

2024-04-29 15:26:49 | Weblog

★ 昔、南北戦争は英語で「CIVIL WAR」だと習った。今、アメリカでは同名の映画が人気を得ているという。もしアメリカで内乱が起こったらという近未来作品だ。

★ 近年の「分断されたアメリカ」、その空気を読んでの作品らしい。今年の大統領選、果たして結果はどうなるやら。事と次第によっては、ディストピアが現実になるかも。そして、超大国が崩壊し喜ぶのは、もう一方の超大国だ。

★ 日本でも政局が近づいているようだ。岸田政権に展望が見えず。かといって政権交代できる政党もない。近未来のシナリオは、自民党が分裂し政界再編による政権交代か、あるいは自民党が初の女性首相を誕生させ、当面の延命を図るかだろう。

★ そんな近未来のために映画「総理の夫」を観た。原作者は原田マハさんだ。映画はコミカルなもので少々非現実的ではあるが、政界への皮肉も込められていた。

★ 読書は、小池真理子さんの「玉虫と十一の掌編小説」(新潮文庫)から「死に水」を読んだ。主人公の男性、20代後半で結構イケメンらしい。モデルとピザ配達のバイトで生活費を稼いでいたが、あることで一人の老婆と出会い、彼女の誘いで同棲を始める。

★ といっても、決して色っぽいものではなく、老婆にとって彼は従者のようでもあり、ペットのようでもある。生活に困らないとはいえ、そんな窮屈な生活に飽きが来て、男は老婆から逃れようとするのだが。

★ 強権的に振舞う女性。しかし、内面は案外純情なのかも。ふとそのことを知った男性の様子で物語は終わる。人生いろいろだね。

★ そうそう、昨夜、映画をもう一つ観た。「最後の忠臣蔵」(2010年)。赤穂浪士討ち入り後の人々を描いたもの。特に大石内蔵助の命を受け、あえて生きながらえる道を選んだ2人の侍(役所広司さんと佐藤浩市さんが演じる)が主人公。

★ 最後は今の価値観では理解できないが、侍の死生観、滅びの美学といったところか。もし現実なら、当の本人たちはわざわざ「美学」などとは考えず、むしろ情死に近いように思える。

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