22期の常木です。日本は暑い日が続いてるみたいですが、皆さん如何お過ごしでしょうか。
今回は真冬のニュージーランドから投稿します。とは言っても、こちらも異常気象で最高気温が17度前後なので、Tシャツで働いている社員もいます。
第一回の宮本先生の講義のなかで、セレンディピティという言葉が出てきました。普段の生活ではあまり聞き慣れない言葉ですが、何年か前からちょっとした流行語になっていて、「ふとした偶然をきっかけに、予想外の素敵なことを発見すること」などと言われています。私がビジネス的に解釈を加えると、「計画的に仕掛けられたものでなく、偶然に起こったことから意外な展開が生まれて、既存のやり方を越えた結果が創出される」という感じでしょうか。イメージを掴んでいただけると幸いです。
私は何年か前まで、オフィス用のコーヒーマシンとコーヒー・ティーなどのドリンクパックの事業に携わってきました。最近流行りのコラボスペースに置かれて、ちょっと時間を掛けて淹れる、お洒落なコーヒーマシンです。商談の中では、セレンディピティの考え方を非常に意識したトークを展開していました。それは、コーヒーの抽出を待つ30秒の間にそこで待つ何人かの社員を想像してもらう事から始めます。彼らは、違う部署だったり、普段仕事では繋がりのない人たちだったりします。そこで起こる「偶発的な」会話は、新しい情報交換だったり、思わぬ業務改善に繋がるネタだったり、新製品のアイディアを生み出す瞬間だったりする可能性があります。会社はその偶発的な出会いや会話を生むための仕掛けをすることがとても重要で、その場所が業界では「マグネット・スペース」と呼ばれるエリアになります。
一昔前は喫煙スペースに行くと、平社員でも役員から声を掛けられたり、または部長同士の雑談からなんらかの決定が下されたりしていたと想像します。私は喫煙者ではないのであくまでも想像ですが、タバコを通じた仲間意識からか(もしくは罪悪感の共有か)、素晴らしいセレンディピティが起こっていたのではと思います。その役割を最近担ってきていたのが、コーヒーマシンのあるマグネットスペースということになります。
しかし、コロナ禍でオフィスに集うことが少なくなっています。オンライン会議は効率の良い反面、セレンディピティを生んではくれません。革新的な製品を次々と生みだしてきた花王の重要な働き方の一つが「真面目な雑談」であることは、あまりにも有名な話。オンラインとオフラインを折衷させていくであろうニューノーマルの中で、いかにそれを意識した働き方を仕掛けられるかが、多くの企業に問われています。
「マグネット・スペース」は知らない用語でした。私の取引先は小規模事業者ばかりで、従業員が皆顔合わせできている環境ですが、もう少し従業員数の多い企業の支援をする際には、この観点も取り入れさせていただきたいと思います。
「ゴルフ場に向かうクルマの中で人事が決まる」
私の会社で平成の途中までときどき耳にした言葉たちです。実際のところかなりの説得力がありました。
おっさんになってからオンライン会議などオンライン化を浴びせられている私などは、なかなかに「セレンディピティ」な場づくりには苦労しています。
人類としてもある意味「移行期間」というか「模索期間」なのではないか…と考えたりもします。
そして、学生時代、幼少時代からオンラインを経験している世代の人たちは、私の世代のような模索なく、自然体で私世代では想像できない「場づくり」を実現していくのでは(既に実現している?)などとふと思うこともあります。どうなんでしょうか・・
「マグネット・スペース」という言葉は初めてききまいした。
そういえば、息子の学校の職員室の近くには、自習もできるテーブル+ホワイトボードがあります。そこで生徒たちが勉強などやっていますが、もしかすると、「マグネット・スペース」に近い役割なのかもしれないですね。
私自身はたばこも吸わず、社内の飲み会も制限されておりますので、つくづく対面での雑談の大事さを感じます。
稼プロに出会ったことで得られる偶然の産物に期待しています。