博多住吉通信(旧六本松通信)

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宇宙への切符の値段-なぜ高いのか

2021年12月27日 | 宇宙開発・天文
 宇宙への切符の値段はなぜ高いのか?正確に表現すると国際宇宙ステーション(ISS)の地球周回軌道への往復の旅費とISSの滞在費の合計額となりますが、ISSの地球周回軌道とは、だいたい地上から400㎞上空です。400㎞といいますと東海道新幹線では東京駅から岐阜羽島駅までの距離に近いです。地上で水平に見れば大きな距離ではないですが、400㎞上空に向けて高い高い壁をよじ登るというふうに考えれば大変なことだと実感できます。実際に地球の「重力井戸」という表現があって、地球の衛星軌道へ到達することは、深さ40万メートル(400㎞)の井戸の壁を地上へ向けてよじ登ることに喩えられます。これは確かに大変なことですね。
 さて、上の写真は前澤友作氏 が12月8日に搭乗したロシアのソユーズロケット(注)です。このロケットは全長が49.3m、本体の最も太い1段目の直径が 10.3m、打上げ時重量が309.7tという巨大な構造物です。およそ8階建て位のビルの高さがあるということです。この巨大なロケットで運べる人員は3人だそうです。これほど巨大なロケットでも宇宙まで運べる人数はたった3人なのです。ロケットが宇宙(この場合は地球の衛星軌道)へ運搬できる重量をペイロード(有効荷重)といいますが、ソユーズロケットのペイロードは最大で7.5トン弱なのだそうです。この7.5トンの中に3人分の体重が含まれています。打上げ時の全重量が309.7tですから、その重量の約98%はロケット本体と燃料(酸化剤とケロシン)ということになります。ペイロードは何と全重量のたった2%でしかないということです。そしてなんとも悩ましいことに、この巨大なロケットは1回の打ち上げごとに使い捨てにされるのです。以上が宇宙への切符が一人24億円という高い値段になる決定的な原因といってよいでしょう。(続く)
(注)ソユーズロケットの写真はJAXA様のホームページから引用させていただきました。https://humans-in-space.jaxa.jp/iss/launch/soyuz/

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