天気 晴
10年前の写真。寒中の散歩で一番目に付いたのは公園の寒木瓜だった。もう咲いたかな、と思う。幾つもある入り口の、木瓜に近いところへ遠回りしたものだ。
これでもか、というくらい小さな花ながら主張する色だ。随分前、向島百花園の主宰の句会へ参加していた頃、こんな句を作ったことがあった。
血の色と思へば木瓜へ近寄れず KUMI
出句してから、「花」と明記していないからダメかも、と気づいた。でも主宰の選を得た。血の色、と言えば花の色と解るから良いのだろう、と納得はしたが・・口うるさい他の結社だったら「ダメ」と言われるかもしれない。
この句は寒中の句ではない。木瓜の花は、花期が長いので寒木瓜でも2月から3月まで咲き続けている。
椿も、これは住んでいたマンションの前にいち早く咲く花があった。
俳句の話のついでに・・
結社誌の2月号が届いた。最近は何とか主宰の選も5句のうち4句を得ている月が多かった。でも今月は3句だった。仕方ないか、最近は一日一句作るのすら危うくなっているのだから。で、どんな句が落された?と11月の控えを見たら
×小菊の香胸に抱きて三回忌 KUMI
やっぱりね、と思った。深い思いは何もない。これでは、どう読んでも夫ではなく、縁薄い人の三回忌へ義理の墓参、と思われる。不思議なことに、後日、駄句と思うものでも出句するときは名句と思っているから可笑しい。
三回忌では駄句だったが、夫の葬儀のあとで作った句は、私は自信を持っている。無論、主宰に選ばれた句。
秋澄むや棺の夫へ免許証 KUMI
(註 棺の夫=ひつぎのつま)
もう免許更新しない、と言っていた。車の運転が何よりも好きだったので、返上する前で良かった。葬儀の日はまさに秋晴れのドライブ日和だった。あちらでも、心おきなく運転しているだろう。スピード違反で何回捕まったっけ?あちらの世はスピード出し放題かもしれない。
一年前の2月号は・・巻頭20句のうちの7席目、と大健闘している。
一昨年の11月はここへ入居してまもなくだった。あの頃は元気があった・・と、思い出すと情けなくなるが。当時はまさか、1年後も生きているとは思わなかったので慌てて入居したのだ。検査で肺がんの疑いを言われたれたのが一昨年の秋。
移りきて終の住処の夜の長し KUMI
今日は、俳句の話だけでお終い。掲載する写真を探していたら、ちょうど、近所の友達からのLINEで公園の紅梅の写真が送られてきた。大分見ごろになったようだ。
青空がこんなにきれいな日だったのか、と思った。昨日と同じく、今日も、昼頃からだんだん体調悪くなって籠ってしまった。不要不急の外出禁止、とはいえ、かなりゆるくて、近所の買い物くらいはあまり遠慮せずに出られる。
本当にもう、クラスターは起きないのかな?昨日は、食堂でのカラオケ大会が中止になった。当たり前でしょ。私は、毎日の体操の時間も気になっている。私は体調悪いから行かないが、マスクしない入所者を・・せめて認知症がない人だけでも、何とかしてほしい。
ゆく雲の薄れゆく空春隣 KUMI
う~~~ん、俳句をやっていないので「血の色」の良し悪しも「三回忌」の句も何も書けません(汗)
>あちらでも、心おきなく運転しているだろう。・・・あちらの世はスピード出し放題かもしれない。
は楽しいですが、詠まれた句には、やはり書けないです。
そこに立ち会っていたとしたら、無言で寄り添っていたと思います。
お葬式の句には、他人があれこれと表現できない気がします。
「移りきて終の住処の夜の長し」
前後の文が読むと、この句にも言葉が出ませんよ。
いや、現在の私の体験だけでも初めてな気がします。
有難うございました。
秋澄むや棺の夫へ免許証 KUMIさん
きっと句友さんからの評価も高かったことでしょう。自分もこのような場面を思い描いていましたが、それが許されない主夫の立場になってオロオロしています (笑)
来週は立春。Have a nice day!
ですから、じっくりお読みいただけるのは大変嬉しいことです。
でも、あまり真面目にお読みいただくと、恐縮します。
ともあれ、俳句をしている人に認知症は少ない、と言いますので信じています。
毎日、顔を洗うように俳句を作らないと、忘れるかもしれませんね。上手下手の前に作ること、と私は思っています。主宰は「作れなくても一日一つ、季語を思い浮かべなさい」と。
でも、無理な年齢までの運転は避けますように。
夫は享年79歳でまだ現役ドライバーでしたが。
2句選が、なぜか最近なくなりました。コロナ禍で、皆が苦労しているので主宰もサービスしてくれているのかも、です。
私は、選ばれなかった句に納得出来れば、失望はしません。
主宰の選に納得できない人たちは結局はやめていきますね。
それで成功した人も、失敗した人も、見てきました。