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DAZN観戦 2024年J1リーグ第10節 北海道コンサドーレ札幌vs湘南ベルマーレ

2024-04-30 16:01:20 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 湘南は、田中聡がU-23代表に参加のため離脱中。
  • 札幌は言わずと知れた「オールコートマンツーマン」なため、守備時は荒野・スパチョークがそれぞれ一列下がっての4-4-2となり相手へのマークを合わせる。

最近の中継では、「6ポイントマッチ」というワードが安売りされているかのように良く使われるのが印象的であり。
しかし共に降格圏のクラブがぶつかり合うこの試合のような、生き残りを賭けた戦いでは最も相応しい表現になるでしょう。

目下4戦無敗の札幌ですが、僅か1勝(3分)なため最下位の状態を打破するには至っておらず。
自分は「ダイナミックプライシング」に批判的な立場ですが、その成績の伸び悩み故か、ゴールデンウィーク中にも拘らず12節(FC東京戦、5/6)のチケット料金も抑えられ。(自分が良く利用するバックスタンド(カテゴリー3)では4/29の時点で2,980円、前年観に行った時よりかなり安い)
まあGW最終日という事情もあるでしょうが、一抹の寂しさを感じる数字ですが、現場レベルで利益を呼び込むためには勝ち点を伸ばす事がまず第一であり。
この日の相手は湘南で、同一の勝ち点なうえに相手は水曜(4/24)にルヴァン杯2回戦・かつ延長戦を(アウェイで)戦っているという、状況的に有利なだけに勝ちたい試合となりました。

勝ち点が欲しいのはお互い様な状況を象徴するように、ロングボールを蹴り合いまずはセーフティに、という定番の入りに。
その中で前半2分、札幌はGK菅野のロングフィードが左奥に入ると、鈴木武がそれを入れ替わりで受け。
これに対する湘南の対応は(その後のパスワークにも)いかにも重そうで、コンディション面での不安が伺えるものでした。
ここは不発に終わるも、次の3分の攻撃で右CKを得た札幌、キッカー浅野のファーサイドへのクロスから鈴木武が叩き付けるヘディングシュートを放ち。(バウンドして枠外)
セットプレーの対応も今一つな雰囲気を醸し出します。(湘南はゾーン守備)

一方湘南の攻撃は、6分に鈴木雄の蹴り出しがブロックされるもこぼれ球を何とか繋ぎ、高橋が再びエリア内へ放り込み。
これがミスなのか、ゴールへ向かう予想外のボールとなり、GK菅野が弾いてCKと好機を生み出しましたが結局モノに出来ず。

10分を過ぎると、札幌が例によって、(前年の金子が居た時期のように)サイド奥へのロングパスを段々と通せるようになりペースを確保。
それでも12分、浮き球を収めにいった馬場の軽いトラップで平岡に奪われたりと、所々で現在のチーム状態を醸し出すような危ないシーンが生み出されますが。
しかしそれは湘南も同じで、パスミスを頻発させては札幌の攻撃を招くの繰り返しで流れを作れず。
生き残りを賭けた激しい戦いというよりは、共に瀬戸際に居る事を再確認させるような絵図を描きながら時間が進んでいきます。

それでも、展開的にはいち早く形を作り上げた札幌が優勢に立ち、スコアにも反映され。
21分、右サイドでの繋ぎの中、ポストプレイの体勢で受けた近藤が後ろから杉岡に倒されて反則。
右ワイドからのフリーキックですが、キッカーは馬場でクロスでは無く右ポケットへのミドルパスを選択すると、収めた浅野が奥を突いてマイナスのクロスと通常の流れのように攻め。
クリアされるも拾って二次攻撃、左サイドからドリブルを仕掛けるスパチョーク、青木のポストプレイを交える事で奥へ進入成功して低いクロス。
クリアされるも、スパチョークとのパス交換ののち中央へと走っていた青木が拾い、その流れのまま放たれたシュートがゴールに突き刺さります。

追う立場となった湘南ですが、一向にペースを上げられず。
25分に浮き球を収めたルキアンが入れ替わって前進する所を荒野に腕で倒されて反則、荒野に警告が出たのがまだしも優勢さを感じるものであり。
札幌のロングボールと比べ、アバウトな裏抜けorルキアンがDFを背負った状態で収めなければならないものばかりなため、サポートも遅くセカンドボールを繋げられないのも差を感じる要素となりました。

それでも31分、攻撃が途切れたのちのゲーゲンプレスを成功させ、平岡の奪取から拾ったルキアンスルーパス→池田左奥からクロスという攻めで左CKに。
クロスのクリアが小さくなった所を、拾ったキムミンテがシュート(ブロック)と、セットプレーから矢を放ち。

しかし札幌も33分、ゴールキックから短く繋ぐ組み立てで、距離感の長いパスでプレスをいなした末に右から前進とビルドアップに成功してCKに持ち込み。
湘南はビハインドな状況もあり、ボールポゼッションによる攻めも試みられていたものの何も起こせずにいたため、どの局面でも札幌に上回られたかのように陥っていたでしょうか。

そしてセットプレーでもそれを見せ付けます。
40分、敵陣でボール奪取した駒井が、前進する所を平岡に倒されて反則・警告。
これで得た右サイドからのFK、キッカー浅野の上げたクロスをファーサイドで鈴木武が合わせヘディングシュート、GK馬渡がセーブするもさらに右CKに。
またも上がった浅野のクロス、今度は中央で近藤が合わせてのヘディングシュート。
例によって湘南は彼への対応が甘く、GK馬渡の飛び出しも遅れた結果ゴールに突き刺さります。
ロングボール・地上での組み立て・セットプレーとそれぞれ相手を上回った札幌、貴重な追加点を挙げました。

順調な札幌でしたが、好事魔多しで45分、宮澤が腰を痛めた事で続行不可能となってしまいます。
これは37分の時点でルキアンとの接触で痛めたもので、プレーを続けていたものの再度の接触で限界が訪れた格好に。
しかし倒れ込んだと当時にアディショナルタイムに突入していたため、交代は見送りそのままピッチに復帰した宮澤。
そのため目安の+4分からさらに長引いたAT、湘南も何度か攻め上がったものの、フィニッシュは放てず。
札幌は無事にやり過ごし、前半終了となりました。

当然の如く札幌はハーフタイムで動き宮澤→家泉へと交代し、家泉はこれがJ1初出場。
一方巻き返さなければならない湘南も必然的に動き、奥野・池田→山田・福田へと2枚替えを敢行します。

湘南ボールのキックオフでスタートした後半。
その攻撃で湘南は約40秒間もボール保持に勤しみ、キムミンテが裏へのロングパスを織り交ぜたりもしましたが結局実らず。

そして前半同様に繰り広げられる札幌の攻撃。
後半4分には対角線のロングボールをエリア内右角で近藤が受け、スルーパスに追い越した浅野がシュートするもオフサイドで無効に。
続く5分今度は右サイドで同一レーンでのパスワーク、細かく繋いで翻弄した末に、馬場エリア内へ縦パス→近藤ポストプレイ→浅野ダイレクトシュートという流れるフィニッシュ。(枠外)

追われる身でも攻勢を続け、傍らから見れば盤石といった札幌。
しかし8分、右CKを得たもののキッカー浅野のクロスが跳ね返されると湘南のカウンターに。
ルキアンの収めを経て平岡がドリブルで敵陣に切り込むという、伝説の撃ち合いとなった前年の柏戦(5-4)を思い起こすような被カウンター(小屋松が完全に裏を取ってドリブルシュートでゴール)になりかけましたが、何とか戻って平岡の可能性の薄いミドルシュートに留めます。(GK菅野キャッチ)

危険な兆候が見られたものの、直後の9分でした。
GK菅野から地上で繋ぎ、湘南のハイプレスをいなしきって前進に成功するというポゼッションスタイルの神髄。
右から前進ののち中央へ持っていき、馬場→スパチョーク→青木と繋いでアタッキングサードへ進入すると、左ハーフレーンからカットインの末にミドルシュートを放った青木。
頭でブロックにいったキムミンテの跳躍も空しく、ゴール右へと豪快に突き刺さるゴラッソで3点目を叩き出します。
青木のマルチゴールの活躍ぶりで、ここまではまさに勝利の絵図しか浮かばない……という札幌の状況でした。

これで窮地となった湘南。
最終ラインに降りてビルドアップの基点となる山田を軸に、反撃体制を作らんとしますがそれも些細な抵抗に終わり。
逆に地上からの繋ぎでも、12分に札幌はゴールキックを短く繋ぐ姿勢から、家泉が持ち運びののちミドルパス→中央でスパチョークフリックで前進。
そしてまたも青木がチャンスエリアに切り込み、左ポケットから中央へパスを出した末に鈴木武がシュート(枠外)と優勢を保ちます。

依然として攻撃権を支配したままの札幌、今度は前半とは逆に右→左への対角線へのロングパスを中心とし、それを受けるスパチョークの切り込みを目立たせるなど横軸を幅広く使う攻め。
それを凌ぎながらの体制作りを余儀なくされた湘南、ベンチワークで打開を図り。
16分に平岡→石井へ交代すると、22分には阿部→畑へと交代。
これにより湘南は3バック(右から大岩・キムミンテ・杉岡)へシフトする事に。

しかし変化した事で、「オールコートマンツーマン」の札幌も、合わせるように(守備時に)3-4-2-1としてマークを合わせる作業を余儀なくされ。
そしてその間も無い22分、右に開いた大岩へのケアが間に合わず、パスワークを経ての鈴木雄のロングパスが前線のルキアンに収まり。
防ぎにいった馬場がルキアンの入れ替わりでかわされると、右ポケット奥を取ってのグラウンダーのクロスに、大外から中央へ入り込んでいた畑が脚で合わせシュート。
ゴール左隅に突き刺さり、この1点が文字通り反撃の狼煙となります。
なおこの際に、ルキアンに対しデュエルにいった馬場が肘打ちを頭部に喰らう格好となり負傷、そのためVARチェックが挟まれるも反則無しとなり。(馬場は止血ののち、キックオフ後に復帰)

まだ2点差で焦る必要の無い札幌ですが、26分に2枚替えを敢行しスパチョーク・鈴木武→高尾・小林へと交代。
これにより高尾が最終ラインに入る事で馬場がボランチ・駒井がシャドーとなり、後ろを強化する格好の采配に。
しかしターゲットの鈴木武が居なくなった事の方が高く付き、以降陣地回復が出来ずに湘南に押し込まれる流れへ突入します。

一方の湘南の攻撃体制は、4バック時と同様に山田が最終ラインに降りてのビルドアップから、大岩が前に出て攻撃に拘るという右肩上がりの姿勢に。
この可変を加えた事で、札幌ディフェンスもマークの受け渡しをするか否かで混乱状態に陥った感があり、ロクにプレスを掛けられずとなります。

30分最終ラインから左で前進する姿勢から、畑の斜めの縦パスを境に中央→右へと展開して右奥を取る湘南。
戻し→奥へのパスで隙を窺いながらの福田のクロスが上がった末に、ルキアンのヘディングシュートが放たれ。
GK菅野がセーブし、その眼前まで上がっていた大岩がすかさず足で詰めたものの、これもGK菅野が至近距離で防ぎ。
何とか凌いだ札幌ですが、34分には湘南のパスワークの最中に福田をアフターで倒してしまった青木(アドバンテージで流される)が警告を受けるという具合に、守備時の立ち遅れ感は否めず。

直後の35分に、札幌は左スローインを受けた駒井がキムミンテに倒され反則、左サイド深めからのFKと落ち着きの時間を得ます。
しかしここからの攻めの流れが議論の対象となるもので、クロス→高尾ヘディングシュート(キムミンテがブロック)ののちも、クリアボールを拾って保持に努める札幌。
左サイドで荒野・小林・駒井の3人がひたすら繋ぐという、典型的なトライアングルでのパスワークで時間を掛けたものの、最後は荒野の雑なクロスがカットされて湘南のカウンターを招く事に。
このパスワークの中身が、レイオフやフリックなど小じゃれた技を交えるものだったので、余裕を見せている暇など無いはずという批判の的となった感がありました。(個人的には、荒野はダイレクトでは無く奥へ切り込んでからクロスを上げるべきだったかと)
このカウンター、山田のロングパスにルキアンが走り込み、拾われるも家泉からルキアンが奪い返して好機に持ち込む湘南。
そして上がってきた大岩が右からクロスを上げ、1点目のシーンの如く畑が脚で合わせシュート。
GK菅野が足でセーブし、茨田が詰めてのシュートも家泉がブロックと、またも寸での所で凌ぐ札幌。

しかし度重なる被決定機で消耗の激しさも窺え、ついに決壊したのが40分。
細かな繋ぎにより敵陣でポゼッションを確保する湘南、左から畑が仕掛けると見せかけて中央を選択し、茨田のミドルパスがエリア内へ。
これを上がっていた大岩が前へ落とすと、綺麗に家泉の裏を取る形となって頭から跳び込んだ福田が低い位置でヘディングシュート、ゴールネットを揺らします。
ゴールへの執念を形で表し、とうとう1点差に詰め寄った湘南。

キックオフの前に札幌は最後の交代を敢行。
青木→キムゴンヒへと交代し、一度は失ったターゲットの補充に掛かり。(小林がシャドーに・近藤が左WBに・浅野が右WBに回る)
しかし何ら効果は無く、重ねられる湘南の攻勢に、いつの間にやらスタミナ切れの様相をさらけ出していたのは(コンディション面の不安を抱える湘南では無く)札幌の方となりました。

そして完全にムードが変わったのが43分の湘南の攻撃、ルキアンへのロングボールのセカンドボールを拾っての左サイドを突く攻め。
一度目のクロスが防がれ、尚も杉岡が浮き球を拾い奥に切り込まんとした所に、クリアにいった小林の足が杉岡の顔に入る事態となり。
たまらず反則・警告となるものの、これでいきり立った湘南サイド(数では分が悪いサポーターも声を張り上げる)により、尚も苛烈な攻撃が展開される事となります。
それをいなすだけの技量・余裕は、既に札幌には無く。

そのまま突入したAT、右サイドから切り込む湘南、鈴木雄が福田とのワンツーで奥を取ってクロス。
ニアで大岩が合わせにいくその手前で中村が辛うじてヘッドでクリアと、悠々と前進を許しながらも必死に凌ぐ札幌ですが、右CKで継続。
するとキッカー杉岡のクロスを中央ややニア寄りで茨田がフリックし、ファーの鈴木雄に収まりそのままシュート。
札幌は完全に足が止まってしまったという格好で、ついに同点となります。

それでも+6分のAT(ゴール時点では+3分)故に、慌てて攻め上がる札幌。
キムゴンヒが左サイドをドリブルし奥を突き、そのままカットインでエリア内に進入するも、キムミンテの反則気味のアタックで止められて実らず。(反則も無し)

結局最後は意気上がる湘南の攻撃に。
ロングパスの跳ね返りを拾った福田がドリブルで切り込み、中央からミドルシュートが放たれましたが、既に湘南サイドも体力を切らしていたかこのフィニッシュは威力が足りずGK菅野がキャッチして終わり。
3-3で試合終了の時を迎え、湘南にとっては価値ある勝ち点1となりました。

逆に、悔やんでも悔やみきれない試合となった札幌。
流れ的にもクローザーの不在ならびに、そもそもクローズのマネジメントがしっかりなされているのかどうかという問題を浮き彫りにするものであり。
加えて宮澤の負傷交代が、さらにそれを加速させそうな予感も孕ませますが、この窮地からの脱却は果たせるかどうか。

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