オーディオ測定、オーディオ用測定器の解説

 測定器と、他は過去に学んだことへのコメント。

アナログテスター

2020年04月22日 | 測定器の種類別解説



内外の高級テスター 写真上左端から順に:TRIPLETT 630NA二台 630NS
下左端から:SIMPSON269 シマヅMT-200 横河3201

(テスターについて)


 テスターというのは、乾電池を一個内蔵するのが普通ですが、これは抵抗を測った時にメーターを振らす為のものです。DCV或いはACVを測るときは、電池が要りません。自身にメーターを振らすエネルギー源(つまり電源)を持たず、回路のエネルギーの一部を寸借してメーターを振らす、即ち回路を大なり小なりかき乱すのです。回路のエネルギー量が小さいと、場合によってはテスター内部で使うエネルギーのほうが多いということにもなりかねません。そこで、所謂高級型のテスター(横河の3201等)はDCVを測るときの内部抵抗が1V当たり100KΩ(10マイクロアンペアの感度というわけです)のものもあります。然しながら、内部抵抗が100KΩ/VDCといっても、0.3Vを測るときの内部抵抗は30KΩしかなく、それで困る場合も有ります。
 ディジタルテスターの内部抵抗はDCでは電圧レンジに関わらず10MΩ一定であるのが多いですが、AC電圧を測るときは周波数特性が悪いです。このことがネックになる場合も有り、修理作業ではアナログ式のほうが便利な場合も少なくないのでやはりアナログ式のテスターも併せて有ったほうが良いです。

 これまで弄ったテスターは内外の物多数ですが、超高内部抵抗のテスターを実際に使用してみると、テスターの内部抵抗は高けりゃ良いというものでもないと思うようになります。指針が使用者の感覚に快適に(ここが大事)反応するのはまぁ50KΩくらいまでかなぁ、という極めて感覚的ではあるものの、そんな感じが有るのです。

 ついでながら、さんざん他社のテスターを使ってきて、初めて横河のテスターを持った人は、リード棒の指にやや重い確実な感覚を快く感じるのではないでしょうか。こういうことが分ってしまうと、測定器はカタログのスペックだけでは分らない要素の大きいのを知るわけであります。私はそうしたことを繰り返し経験した結果、国産の測定器を使うことは殆ど無くなりました。

 現在、国産の横河3201は内部抵抗が100KΩ/VDCで高騰しても10000円止まり、せいぜい5~8000円くらいで落ち着くので、出品者の条件によっては購入したほうが良いです。

 テスターが動作するかどうかはACに突っ込むだけでも分かるので、こんな簡単な機器でも動作不明などと言う出品者からは買わないほうが良いです。

 

 

 

 海外の高級機について興味が有るかたはお問い合わせ下さい。




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