たまおの星便り-星海原の航海日誌。  

日毎夜毎、船橋から房総九十九里へと繰り出し、星空を駆け巡る観測日誌。

・2020/5/10、5/26 雲と雨まみれの5月の空。

2021-05-30 | たまおの星便り

 天候はゴールデンウィークが明けた頃から怪しくなってそのまま新月期へと突入した。5月10日未明はSCW気象予報では曇りがち、気象衛星画像では房総は雲の領域から外れていた。だが、海岸に着くと空の半分以上が雲に覆われていた。少し離れた防潮堤の上ではすでにデジカメで星の固定撮影をしている人もいたので、まず挨拶をして機材をいつもの観測場所にセットした。
 午前3時になっても北天の一部を除いて雲は切れ目がない。雲の流れる中、C/2020T2パロマー彗星をどうにか撮影した(画像左)。
 以前、ボリソフ彗星の取材で一緒になったカメラマンさんがわずかな晴れ間を見つけて新しい機材のテスト撮影をしていた。明るいレンズを付けたビデオのタブレット型画面には雲間からも天の川の暗黒帯まで写し出されていて驚いてしまった。だが薄明開始までもう1時間もない。カメラマンさんは晴れ間を求めて茨城方面にひとり移動した。この日は完全な曇り空で薄明を迎えた。
 5月26日の皆既月食は市川の塩浜埠頭から迎え打つ予定だった。月食開始まもなく海を挟んで幕張メッセの上空に朧げな月影が浮かんだ(画像右)。だがその後は次々とやってくる見物客をよそに、月は厚い雲に遮られて顔を見せることはなかった。
 「五月晴れ」の夜が一日もない5月は、15年近い「たまおの星便り」の航海日誌でも記録されたことがない。南国では前例のない早い梅雨入りとなったという。天候ひとつとっても地球のシステムが少しずつ変わり始めている気がする。

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