たまおの星便り-星海原の航海日誌。  

日毎夜毎、船橋から房総九十九里へと繰り出し、星空を駆け巡る観測日誌。

・2023/12/10~22 暖冬異変から急冷の星海原で今年の航海納め。

2023-12-30 | たまおの星便り

 12月に入ると移動性の高気圧とともに天候が変わる秋のような空模様が続いた。17日は高気圧が通過し晴天となった。冬には珍しく南西の強風が吹き荒れ、深夜の山道には風に吹き飛ばされた小枝大枝が散乱していた。車に当たらないように慎重にハンドルを取りながら午前2時過ぎに海岸に到着した。気温14℃と異様に暖かい。防潮堤を越えてくる霧状の波しぶきを避けて海岸から一番離れた駐車場の奥に車を風除けにして機材をセットした。
 午前5時過ぎの薄明開始まで2時間あまり、すぐに未明の空を動く彗星たちの撮影に入った。日曜の明け方はいつもは釣り人の車が何台も押し寄せヘッドライトの灯りに辟易するが、今日は海が荒れているせいか、数台が出入りしただけだった。だが、南西風は変わらず強く吹いたまま薄明を迎えた。
 22日は西高東低の気圧配置となって寒波の押し寄せる冬晴れの夜空となった。未明の海岸はマイナス4℃まで気温が下がった。それだけに透明度は高く犬吠埼灯台の灯りがよく見えた。いつもの彗星をいくつか撮影し、東天の空域あちこちに望遠鏡を向けたあと、薄明の南天低く高度8度にあるC/2021S3パンスターズ彗星を視野に入れた。まだ11等と暗いが来春には9等まで明るくなると予想されている(画像上 右下)。明日明後日も晴天が続く予報だが、所用が立てこんでいて年内の星海原の航海は本日をもって終了となる。
 今年の特に後半は、ほとんどの撮影画像にスターリンク衛星の光跡、光点が写りこむ事態となった。18日未明の下の画像にはわずか20秒露出の1度×1.5度弱の写野ながら3本もの明るいスターリンク衛星の光跡(と、いくつもの光点)が写っている。現在4000機が数百キロ上空の低軌道を周回しているそうだが、いずれ10000機以上となるようだ。困惑の極みといえる。

 
 

 

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