たまおの星便り-星海原の航海日誌。  

日毎夜毎、船橋から房総九十九里へと繰り出し、星空を駆け巡る観測日誌。

・2022/3/31~4/10 菜種梅雨と花曇りのわずかな晴れ間。

2022-04-15 | たまおの星便り

 房総に菜の花と桜の季節が来ると新月期の夜は時間を持て余すことが多くなる。3月の後半から10月頃まで続く長い「雨季」 が始まった気分になる。それでも昼間は黄砂まじりの晴れ間がのぞく。3月25日には太陽に大きな黒点群と迫力のあるプロミネンスが見えていた(画像上右)。
 3月31日は前線が北上して強い南風が雲を吹き飛ばしてくれ た。南洋から雲の襲来も予想されたが貴重な晴れ間なので迷わず午前2時過ぎには海岸に到着した。いつも機材を設置する海辺近くの小高い砂丘は強風に晒されていた。すぐに海岸から一番離れた駐車場の隅に移動し、車を南西側に置いて風よけにした。午前4時過ぎには早くも薄明が始まる。急いで機材をセットして東天のわし座にあるC/2017K2パンスターズ彗星を撮影した(画像上左)。気温13℃、湿り気のある空は5等星が何とか見える透明度ながらクリアーな一夜だった。
 その後は花曇りの夜が続いた。8日未明は気象衛星画像では一見、雲が切れていたが「ひまわり霧画像」では動きの遅い低層雲が局地的に厚くたなびいていた。未明の晴れ間を期待して海岸で待機していたものの雲は一向に動かず午前3時に諦めて帰路についた。
 月没が次第に遅くなり暗夜がわずか2時間余りとなった4月10日の日曜未明は全国的に晴れ渡った。午前2時にいつもの海岸に着くと浜辺が異常に明るい。今年2月、厳寒の深夜に照明を煌々と灯して大音響で楽器を奏でていたのと同じイベントのようだった。すぐさま車で3分ほど離れた近くの海岸に退避した。風が弱く霧が出ていた。近くの交差点の街路灯が濃霧に反射してカブる可能性があったのでいつもより露出を抑え気味にしていくつかの彗星を撮影した。薄明が近づくにつれて霧は薄くなり透明度が増してきた。夏の天の川が天頂から南の水平線に音もなく流れ落ちてまもなく空が白んできた。

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