自給自足の生活2

過去の記憶

>>最初から読みたい方はコチラ

ある時、自給自足の施設に絵描きを職業とする人たちが3人ほど来店した。

僕が寝泊まりする施設の近くには、海水から取った塩を分離して天然塩を作る塩小屋というものがあったのだが、その3人組は塩小屋の壁画をペイントする仕事で来たのだった。

壁画のペイントをしている3人組の後ろ姿はめちゃくちゃかっこよかった。

自分の得意を仕事にしているだけでなく、自分の仕事を心から愛してる姿に当時の僕は魂が揺さぶられた。

僕は昔から、大人になって好きでもない仕事の為にいやいや会社に行くような人間だけにはなりたくなかった。

もし、小学校の頃の自分がタイムマシンに乗り20年後の自分を見た時に、ガッカリするようなダサい生き方だけはしたくなかった。

目の前の3人組は間違いなく僕が憧れるカッコいい大人だった。

その3人組は1週間くらいの滞在でお別れすることになるのだが、僕は記念に似顔絵を描いてもらった。

人生で初めて似顔絵というものを描いてもらったがめちゃくちゃ嬉しかった。

それまで、記憶力が悪くて、要領が悪い不器用な僕はどんな仕事なら自分の能力を発揮できるかずっと悩んでいたが、一筋の明かりが見えた。

絵描きになりたいと心の底から思ったのだ。

僕は、小さい頃から特段好きで絵を描いてこなかったけど、小学校から中学生までなぜか入選していた。

絵と言っても水彩画や油絵やら色々あるが、似顔絵というジャンルに特化させて修行をすれば、こんな僕でも日本一上手くなる事ができるかも知れないと思ったのだ。

これまで自給自足の生活をしにくる参加者さんに仕事に関する質問や人生相談をしまくった結果、ようやく『これだ!!』というものを見つけた。

>>続く

コメント

タイトルとURLをコピーしました