ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『処女と初恋の森』

2022-07-04 16:16:13 | 日本映画

久々にCATVでピンク映画を観ました。なにしろピンクなもんで、このレビュー記事が生き残る可能性は極めて低いです。

それでも、骨折り損を承知の上でチャレンジする私こそ、エロの神に選ばれし生けるレジェンド。真の勇者でありハリソン・フォードなのです。

2020年の劇場公開時は『よがりの森/火照った女たち』、フェス出品時は『眠れる森のミチコ』、DVDリリース時は『林業の嫁/肉体の火照り』といった具合に、タイトルと編集内容が変遷していくのはピンク映画「あるある」。

恐らくDVD版が最も過激で、テレビ放映版のこれ『処女と初恋の森』は最もソフトなバージョンなんでしょう。

脚本は深澤浩子さん、監督は小関裕次郎さん、そして主演は、その芸名から多部未華子さんを意識されてるであろうセクシー女優、あべみかこさん。似てるとは言い難いけど、タベリストはせっかくだから多部ちゃんと置き換えて観るのも一興かと思います。



就活に失敗し、山奥で首吊り自殺しようとした青年=智樹(可児正光)が、そこで若い女の野ション現場に出くわしちゃう。

だけどその女=道子(あべみかこ)はまったく動じないどころか、もっと頑丈な(つまり首吊り向きの)木がある場所を親切に教えてくれるのでしたw



どうやら森林伐採の新米作業員らしい道子に、なんとなくついて行った智樹は、そこの親方(森羅万象)にスカウトされ、なし崩し的に作業員の仲間入りを果たし、欲求不満を溜めこんだ道子にレイプされw、なんとなく生きる気力を取り戻していくのでした。



さらに、杏奈(谷花紗耶)というオタク少女も登場! 彼女は親方がSNSで発信した林業のPR動画に、たまたま道子が写ってるのを見て訪ねて来た。

杏奈は地下アイドルグループ「ももいろぴゅあハート」の熱狂的ファンで、中でも「藍野みく」というメンバーの推し活をずっと生き甲斐にしてきた。そう、道子は、突然引退して行方をくらませた藍野みくなのでした。

智樹だけでなく、アイドルとして生きることに疲れ果てた道子と、にわかに生き甲斐を見失った杏奈という2人の若い女も、森林に癒やされ、エネルギッシュな男たちから活力を得て、なんとなく希望の光を見出していきます。



もちろんピンク映画ですから、杏奈にもちゃんと濡れ場が用意されてます。演じる谷花紗耶さんは子役出身らしく、主役のあべみかこさんより確かな演技力で作品を支えてくれてます。

クライマックスはもちろん、ちょっとだけ逞しくなった智樹と、潤いを取り戻した道子との対等なセックス。そうでなきゃピンク映画とは言えません。



やっぱり、たまに観ると新鮮なんですよね! ピンク映画には、メジャー映画やテレビ作品がどこかに置き忘れて来た……というより捨て去ってしまった「魂」がしっかり残ってる。

たった3日間で撮り上げたという映像にゴージャス感は無いし、有名スターも出て来ないけど、だからこそ出来ることがピンク映画には確かにある。

つまり、スポンサーとかタレント事務所とか女性観客とかに対する「忖度」がほとんど要らない。ムリしてジャニーズ系のイケメンだの謎解き要素だのを入れなくていい、まったくピュアな作品創り。必須条件は女子のヌードとセックスだけという、これぞ究極のロマン!

だからと言ってストーリーがスカスカじゃ駄目だけど、この作品はイケてます。登場人物がみんな活き活きしてる。

優れたピンク映画って、とにかく女の子が魅力的。あまり芝居が上手でないセクシー女優さんも、ピンク映画の中だと上手く見えちゃう。そうでなきゃ濡れ場が盛り上がらないから、創り手もそこに力を入れてるんでしょう。

この作品は2021年に発表された「ピンク映画ベストテン2020」で第1位を獲得し、あべみかこさんは主演女優賞に輝いたそうです。さもありなん。

だから勿論、すべてのピンク映画が優れてるワケじゃない。なんじゃこりゃ、っていう作品の方がたぶん圧倒的に多いけど、それはメジャー作品とて同じこと。ただ、ピンク映画の方が絶対ピュアだから、たまに観ると新鮮だし癒やされると、そういう話です。


 


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『らせんの迷宮/DNA科学捜査... | トップ | 『レンタル女子大生/私、貸... »

コメントを投稿