19日の東京株式市場で東京エレクトロン株が5営業日連続で下落し、前日比3210円(9%)安の3万3530円と、この日の安値で取引を終えた。
半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が18日の四半期決算発表時、半導体市況の先行きについて慎重な見通しを示したことで、東エレク株など半導体関連銘柄の株価を押し下げた。
TSMCは18日の2024年1〜3月期決算発表時、メモリーを除く半導体業界全体の生産見通しを引き下げた。
「24年の設備投資計画を据え置いたこともあり、半導体株の失望売りにつながっている」(岩井コスモ証券の斎藤和嘉シニアアナリスト)。
19日はSCREENホールディングス(7%安)やレーザーテック(8%安)など半導体関連銘柄が軒並み下げた。
東エレクはロジック半導体やメモリーなど幅広い用途の製造装置を手掛ける。足元の受注は堅調で、2月には24年3月期の連結純利益見通しを従来予想から330億円上方修正した。
今後の株価回復には、半導体市場全体の先行きに対する懸念が払拭される必要がありそうだ。
岩井コスモ証券の斎藤氏は、「投資家の不安感が解消に向かうにつれ、株価は上昇基調に戻るのではないか。
中長期的に魅力的な銘柄であることは変わらない」と指摘していた。