離しません!

YouTuber達のソフトなBL小説です。男の方もどうぞ。更新情報や雑談はツイッター(Ⅹ)で🌹不定期更新すみません

【おわび】小説お休みします

2024-04-02 13:24:00 | おわび等
いつも小説をお読みいただきまして、ありがとうございます。

作者の阿弓晃子です。

さて、大変申し訳ないのですが、小説の更新をしばらくお休みさせていただきます。

理由は、お恥ずかしいですが、後半部の構成の見直し・やり直しのためです。

ラストの内容は決まっているのに…本当にすみません。

今のところ、再開は7月頃と思っております。
こちらのブログでお知らせします。

その間は、たま~にこちらやツィッターで何かつぶやいているかもしれません。

このような状態ですが今後ともよろしくお願い申し上げます🙇



59.のんきな?オミさん

2024-03-29 22:40:00 | 小説
「これ早く削除しない? フクちゃんにも言ってさ。削除して みんなでお祓いを受けた方がいいんじゃない?」

 しかし オミさんは、

「いやもったいないでしょ。もう少し研究したいし。俺はいいから、みんなはお祓い受けといでよ 」

「何のんきなこと言ってるんだよ! 霊がついてるのが誰だかわからないから言ってるのに…」

 俺もちょっと言ってみた。

「もしかして、家に憑いてるんでしょうか?」

 オミさんとカイさんは一瞬考え込んだが、

「いやこれまでこういうことはなかったし…」

「そうだよな。事故物件でもないし…」

なんだか全然正解が見えない。

 結局は本人でありリーダーであるオミさんが決めた。

「とりあえず1ヶ月だけは 様子を見ようよ。どんな風に育つかまず見よう。動画に使えるかもしれないし 」

「いやいやそんな…」

とカイさんは また止めたが、

「何かあったら、塩を撒くから大丈夫 」

と、オミさんは言い張って聞かない。

「やっぱり心配だな。後からフクちゃんにも写真が育っていないか聞いてみるよ」

 そして…カイさんが聞いたところによると、やはりフクちゃんの写真にも何の変化もないということで…

 お祓いの話も何時しかみんな忘れてしまったようだった…  



58.育っている心霊写真。

2024-03-28 22:01:00 | 小説
 予想通り次の朝、オミさんは疲れた様子で帰ってきた。

「オミさん 朝ごはんは?」

「ごめん。いい。カイくんが来たら起こして」

と、プライベートルームに入っていくオミさんを見送ってから、俺はオミさんが無事帰ってきたことに気づいてほっとした。

 オミさんがシャワーから上がったところで カイさんがやってきたので、3人で例の写真を見せ合ったのだが…

「ええっ…?」

 俺は自分のスマホの画面を見て声を上げてしまった。

 写真には、昨日にはなかった白いモヤが現れており、オミさんを取り巻いていた。さらに画面写真右側はモヤがオレンジ色になっていた。

 そして、オミさんの肩を掴んでいた手が全くなくなっていたのだ…

 それを見て、 オミさんもカイさんもびっくりしていた。

 オミさんの写真は昨日と全く同じ。

 カイさんの写真は電話で聞いた通り、肩に手などなく、怪しいところは全くなかった。

 オミさんは困ったように、

「心霊写真には育つ、ってこともあるそうだけど、それかもしれない…」

 カイさんは頷いていたが、俺はよくわからないので訊いてみた。

「育つ、って何ですか? 」
 
 腕組みしたオミさんが、

「変化するってこと。強い霊にはたまにあるらしいんだ。それかもしれないね。でも3人のカメラで状態が全部違うって何なんだろうね…」

 するとうつむいていたカイさんが…


57.届かない生き霊

2024-03-27 22:39:00 | 小説
 まあ 大御所とか言っても俺からしてみれば これの何が面白いのか、っていうチャンネルはいくつもある。

 そして我が〈礼霊ず〉にもやっぱり 長所も短所もあるわけで… 俺は編集のことだけでなく撮影のことか色々覚えなくてはいけないと思ったのだ。

 …しばらくして疲れたので、 よそのではなく、〈礼霊ず〉の第2回目の動画の研究をすることにした。

 オープニングで並んだオミさんとカイさんは、まだまだ撮影地の説明も慣れていない感じで可愛い。
 などと思いながらも、頭のどこかではカイさんからでも電話が来ないかなと願っていた。さっきの写真はやっぱり怖い。

 そんなところにカイさんから電話が来た。 俺はスマホに飛びついたが…

―ダイキ君、写真見たけどオミの肩の上に何も写ってなかったよ。写真 取り違えてない?

 俺は驚いてしまい、ロをパクパクさせるしかできなかったが、我に返って、
「いえ…オミさんのポーズはどうなってました?

霊が乗っているのはオミさんが膝に手を置いているものなんですが。

あとは ピースサインを出しているものと、顎に手を添えたもので…」

-そっか、じゃあこの写真だよな…実はフクちゃんにも送ったけど、やっぱり何にもないって言うんだよね。

「オミさんに転送したものにもちゃんと写っていたんですが 」

-わかった。今、オミは出かけてるんでしょ?
そしたら俺、明日そっちへ行くよ。
フクちゃんは忙しいみたいだから連れて行けないけど。

 というわけで俺たち3人は明日それぞれのスマホを見せ合うことになったが、フクちゃんも含めてみんなが呪われていないか、 特に外出中のオミさんが心配で、勉強も手につかなくなった。
 
 俺も生き霊というのは 動画チャンネルの心霊写真でしか見たことがない。

 そもそも心霊写真の中でも生き霊のものは少ない。
 それに全部霊能者とかに鑑定されているわけではないので、
説明も曖昧なものが多くてあまり参考にはならない。

 カイさんはオミさんより生き霊に詳しいといいんだけど…


 …そしてやっぱりこの夜オミさんは帰ってこなかった…

 …やっぱり「激しいおじさん」と何か…?




56.お留守番は生き霊と?

2024-03-26 22:20:00 | 小説
「やっぱりこれはカイに見せなきゃだな。明日来てもらおうか? そうだ、ダイキ君、この写真、カイ君に送っておいて 」

 俺は恐れおののいた。

「カイさんのスマホ、霊障で壊れませんか? オミさんのも俺のも心配ですよ」

「壊れるとしたら俺のだから大丈夫だよ。俺についてる霊なんだから 」

 その時、チャイムが鳴った。タクシーが来たのだ。

 「ダイキ君、その写真、絶対に削除しないでね」

そう言いおいて、オミさんは急いで出かけていった…

 自分のスマホとはいえどう扱ったものかと悩んだけれど、電源を切ったら2度と起動しなくなるんじゃないかと思い、切らなかった。

 怪奇現象や霊障のひとつとして、電子機器の不具合や故障があるからだ。
 
 それが心配で、スマホは会社のネットワークからは外した。

 ああは言われたけれど、俺としては心配だし、何よりひとりでこの家にいるのが怖くなって、いきさつをメールに入力して、写真をつけてカイさんに送信した。
 
 今日は休みなので、機材を片付けてしまえば自由時間だ。
 
 というわけで、俺はオミさんやカイさんにバレてはまずいと思われる勉強をすることにした。

 わが〈礼霊ず〉や他の売れっ子心霊YouTuberの動画を見て、長所短所を研究して、ノートに書き出すということだ。

 他のチャンネルを見ているのを知られたら、特にカイさんのご機嫌を損ねそうだと思ったからだ。