河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑150 / 種のネタ

2024年05月01日 | 菜園日誌

ブドウがつぼみを着けだした。
花が咲くのは中旬頃。
それまでに、枝の先っぽのつぼみは摘んで、枝元のつぼみ一つ残す。
咲きだした頃に、ジベレリンという植物ホルモン液に漬けると種無しブドウになる。
孫に食べさせてやろうと、去年、初めてジベレリンに漬けた。
みごと種無しになった。
しかし、実も無くなった。
花がすべて枯れてしまったのだ。

だいたい、野菜や果物には種ができるものだ。
それを無理やり薬で種を無くすのは、自然の摂理から外れるし、神への冒涜だ。
ブドウたけでなく、種無しピーマンやスイカとかも出だしたが、野菜や果物は種があるから美味しい。
種の有るブドウなんて、スーパーでは売っていない貴重品なのだ。
だから、今年はジベレリン処理をしない。
種のある大人の味を楽しむ。

河川敷で掘り上げて来たネヂモジが大きくなった(茶話135/野の花)。
それに負けじと、一緒に引っ付いてきた芝生が花を着けてきた。
芝生はイネ科なので「花」とは言わずに「穂」と言う。
普段はきれいに刈り込まれた公園の芝生しか見ないので、穂を見るのは初めてだ。
右の葉の細いのが西洋芝で、左のには葉の太い日本芝が混ざっている。
野手ふふれる姿を真横から眺めながら、芝生だって、花を咲かせて、種をつけるのだと納得。

ビニールトンネルの中の枝豆の芽が出そろった。
こいつは種がなければ話にゃならない。
雨が止んだら、種有り枝豆を植えるとするか。

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畑149 / 雲外蒼天

2024年04月30日 | 菜園日誌

朝方に雨が降った。
五月は半分の日が雨だった。
日月曜の連休の間に、頑張って夏野菜の畝立てを終えて正解だった。
雨上がりのうちに畑へ。
昨日植えた赤シソは、水を吸って元気だ。
それはそうと、ハトに襲われたエンドウを守るための「百姓一揆」の結末を確かめなければ……。

うーん?
手薄だった東西の端がやられた。
スナップはもはや全滅状態。
うーん?
思案の末に黒ビニールの幟(のぼり)を増やした。
30年ほどエンドウを作っているが、こんなの初めて……。
黒いビニールが立ち並ぶ、情けない情景を呆然と眺める……。
遠くの山々が白いベールに覆われだしている。
こんな時は雨になる。
泣きたいのは、こつちやがな……。
……思っているうちにポツリポツリと降り出した。

ビニールトンネルの中に慌てて入って、椅子に座ってぼんやり……。
羅生門の下で、一人で雨やみを待っている下人の心境……。
ビニール屋根を打つ雨音が、ポッポッポッとハトの鳴き声に聞こえる。
羅生門の楼の上で、猿の顔をした老婆が女の死体の髪の毛を抜くのを見た下人が老婆に憎悪を感じたように、エンドウをぼこぼこにしたハトへの憎悪がこみあげてくる。
すると、「これとてもやはりせねば、飢え死にをするじゃて、仕方がなくする事じゃわいの」と老婆の声が聞こえた。
なるほど……、ハトも生きるためにやっているのだ。
ならば、好きなようにすればいい……、憎悪は諦観へと変化した。
過ぎたことを悔やむよりも、先のことを考えよう!
諦観は、やがて前向きな気持ちにかわる。

雨は小止みになった
よし、少し早いが、インゲン、キュウリ、ゴーヤ、ナンキンを植えよう!
雨が降るから水やりをしなくてすむ。
ミストのような霧雨が気持ちい。
雨雲の上には蒼い空があるのだ。

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畑148 / 一揆だ!

2024年04月29日 | 菜園日誌

昨日、夏野菜の畝を立て終えて、今日はゆっくり8時に畑へ。
相方の梅干し作りのために、畔際に生えた赤シソの植え付け。
「こぼれ種」で生えたのだが、わざとこぼれ種にしたので「意図的こぼれ種」。
種を買って植えると案外失敗する。
こぼれ種は確実に芽が出る。

スコップで掘りあげて、植える予定の畝へ。
さて、植えようと目の前のエンドウを見ると様子がおかしい。
昨日、株の下の方になっていた実を何者かに食べられた。
おそらくカラスだろうと思って防鳥糸を張った。
カラスは羽が何かに触れるのを極端に嫌がるので、糸が最も効果的だ。
なのに?

そばに行ってみると、やられた!
ぼこぼこに!
それも株の上に乗って枝を折って食べている。
「おいおい、ちょっとだけなら共存共生してやってもええけど、枝を折ったらアカンやろ! 殺生やがな!」
なんでやねん?
糸は、ちゃんと張ったままだ。
ということは……カラスではない!
そういえば、百姓仲間が「エンドウをつつくのはカラスではなくハトやで!」と昔に言ってたのを思い出した。
気の弱そうなハトだが、何十羽と集団でやって来るのでカラスよりたちが悪い。
風雲急を告げてきた。
こうなりゃ、こっちだって黙ってはいられない。
「百姓一揆だ!」

黒のビニールマルチを切って、あちこちにくくりつける。
カラスに見立ててハトを脅すという古典的鳥避けだ。
これでダメなら今年はエンドウ豆が食べられない。
ジ・エンドウだ!

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畑147 / 連休

2024年04月28日 | 菜園日誌

連休に入ったが何とも忙しい。
朝の6時から老人会の墓掃除。
「四月の6時からというのは早すぎるのとちゃうか!」と文句言いながら一時間ほど草抜き。
終わると、そのまんま畑へ行って、三畝ほどの畝を立ててマルチを張る。

10時前に家に帰る。
二月の半ばから、知り合いの頼みで、ある薬草の苗を預かっていた。
三月の中旬くらいまで頼むが、四月の上旬になり、それがやっと今日になった。
桜が咲きだした頃から急激に成長した。
大きくなりすぎて引き取りに来た車に乗せきれない。
手土産にワッフルをもらったから、「ええよ、俺の車でも運んだるわ!」
家に帰ると昼前。
なにげなく家のガレージに置いていたが、実は一株千円近い貴重な薬草。
それが大小200株ほど……。
すっきりとしたガレージを見て、何となく寂しくなる……。

カップラーメンを食べてから、競馬の天皇賞の予想を急いでして、ネットで買って、畑へ。
朝の墓掃除の時に百姓仲間に「ナスとトマトを植えたか?」と訊くと、「もういけるんとちゃうか!」というので長めの畝を二本立てる。
まずは、比較的寒さに強いトマトを植える。
中玉とミニのトマト苗が10本ずつあるが、そんなに必要ないので四本ずつ定植。
朝に墓掃除に行ったせいか、「四=死」で縁起が悪いから三本ずつにしようかと思ったが、合計すれば八本で末広がりで良いことになるだろうと、自分で自分を無理やり納得させる。

定植をし終えて、畑専用のラジオかけて、さあ、天皇賞!
朝に墓掃除に行ったせいか、縁起が悪いと馬番の4と一番人気の14を外して買った。
そしたら、14番が入って愕然!
ああ……。
いや、まてまて、だとすれば、トマト苗の4本植えは縁起が良かったのだと……自分で自分を無理やり納得させる。
かくして、縁起が良いような悪いような連休の始り!

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畑146 / 癒やしの野菜

2024年04月25日 | 菜園日誌

三日続けて夜に雨が降って畑に入れない。
仕方ないのでビニールトンネルの中で苗の手入れやら種まき。
電熱ヒーターで芽を出させたキュウリやスイカはまだ双葉で、外に出すのはかわいそうだから、今のうちに少し大きめのポットに植え替える。
トマトとナスはかなり大きくなったので定植できなくはないが、畝の準備が出来ていない。
彼らも大きめのポットに植え替えてやろうかと思ったが置き場所がない。
鬱蒼と茂った絹さやの花が終わったので、あと一回収穫して撤去する時に植え替えるとするか。

次はアスパラの種まき。
一昨年まで畑の隅っこに植えていたが、古くなったので片づけてしまった。
チンアナゴのようににょきっと頭をもたげる奴がいないと、なんとなく寂しいので種まき。
発芽まで20~30日もかかるうえに、収穫できる株になるまで二年かかるというのんびり屋さんだ。
しかし、その後は植えっぱなしで四、五年は収穫できる息の永い野菜だ。

一段落して、さて、どうしよう?
ドカリと椅子に座って苗たちを愛おしげに眺める。
いたいた! こいつを定植してやろう!
今年は畑をヒマワリでいっぱいにしてやろうと考えていた時に、近くの百姓仲間が菊芋を植えていた。
そうか! ヒマワリの種を買って植えなくとも菊芋を植えればいいんだ!
キク科ヒマワリ属で、秋にキクのようなヒマワリのような黄色い花を咲かせる。
おまけに、地中にできる芋はイヌリンとやらが豊富で血糖の吸収をゆるやかにしてくれる。
糖尿持ちにはちょうどいい。

百姓仲間に「小さいのでいいから10個ほどちょうだい」とおねだりして貰ったのをポットに植えておいた。
成育旺盛で背よりも高くなる。
秋に美しい花に心を癒やされて、体も癒やされれれば言うことはない!

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