会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン(案)」公表(経済産業省)

責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン(案)に対する意見募集について

先日の日経などでも取り上げていましたが)経済産業省は、「責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン(案)」を、2022年8月8日に公表しました。

「本ガイドラインは、国連指導原則、OECD 多国籍企業行動指針及び ILO 多国籍企業宣言をはじめとする国際スタンダードを踏まえ、企業に求められる人権尊重の取組について、日本で事業活動を行う企業の実態に即して、具体的かつわかりやすく解説し、企業の理解の深化を助け、その取組を促進することを目的として策定したものである。」(「はじめに」より)

以下のような構成の40ページ弱の報告書です。

1.はじめに

2.企業による人権尊重の取組の全体像(総論)

3.人権方針(各論)

4.人権 DD(各論)

5.救済(各論)

末尾に、全15問のQ&Aがついています。

各項目で「例」が示されています。

例えば...

「例:法律によって明示的に禁止されているにもかかわらず、自社内において、技能実習生の旅券(パスポート)を保管したり、技能実習生との間でその貯蓄金を管理する契約を締結していたりしたことが発覚したため、社内の他部門はもちろん、サプライヤーに対しても、そうした取扱いの有無を確認するとともに、それらが違法であることを周知し、取りやめを求める。」(18ページ)

「例:海外サプライヤーの工場における実地調査により、現地国の労働法に違反する過度の長時間労働が常態化していたことが確認されたことから、そのサプライヤーに対し深刻な懸念を表明するとともに、法令違反の状況を直ちに改善するよう要請する。」(19ページ)

「例:サプライヤーが、技能実習生に技能実習に係る契約の不履行について違約金を定める契約の締結を強要したり、旅券(パスポート)を取り上げたりしている不適切な状況が確認されたことから、そのサプライヤーに対して事実の確認や改善報告を求めたが、十分な改善が認められなかったため、実習先変更や転籍支援を行う監理団体に対して連携・情報提供するとともに、そのサプライヤーからの今後の調達を行わないこととする。」(20ページ)

「例:海外の融資先企業が強制労働や児童労働の人権への負の影響を引き起こしていることが確認された場合には、その負の影響を引き起こしている行為の停止及び再発防止を求めるとともに、一定期間経過してもなお対応がなされない場合には、融資停止によるステークホルダーへの負の影響の有無・内容について十分に考慮した上で、融資契約期間満了後の新規の貸付けを行わないこととする。」(21ページ)

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