春分の日も過ぎ、周期的な気候変動がみられる頃となりました。前回のブログで、河津桜の満開をお知らせしましたが、外はすでにソメイヨシノが満開となっています。この艶やかな桜色の中に身を置くと、様々な気持ちが喚起されます。たぶん農耕民族である日本人にとって、本格的な農耕をスタートさせるスイッチがこの桜の花ではないでしょうか。
変化に富んだ自然、四季のはっきりした季節、湿潤な気候、時として猛威を振るう自然災害、そうした条件が私達の自然に対する複雑な感情を醸成しているのでしょう。ですので、桜の花は、私達に単に美しいと感じるだけではない感覚を呼び覚まします。
桜の開花を号砲として、一気に様々な花が咲き始めます。下の画像のように、ジンチョウゲ・ハナモモ・ハクモクレン・レンギョウ・チュウリップなどの花が、私達を楽しませます。レンギョウの他に、ヒュウガミズキ・ヤマブキ・キンシバイ・サンシュユ・ミモザなど、春先には黄色の花が多いのは、黄色の花に反応する虫が多いからでしょうか。
ところで、先日私は黄色の蝶を見ました。春先に黄色の蝶を見ることは、ラッキーのサインという迷信があります。科学的に言えば、多くの蝶は蛹で冬越ししますが、黃蝶は成虫で越冬するので、春先にまず見る蝶は、黃蝶ということになります。そうした生態と、太陽や希望の光の象徴としての黄色が、そうした迷信を生んだのでしょう。
また、私の手元にある絵画にも、下の画像のような木蓮や夜の枝垂れ桜などをモチーフにして描かれた作品があります。画家の創作意欲を掻き立てる春の植物が多いと思われます。