「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの時事随想:国の安全保障問題

2023年01月06日 | 時事随想

 ロシアによるウクライナ侵攻は、世界に衝撃を与えました。ロシアもウクライナも退く気配はなく、戦闘は長期化する気配です。ロシアとウクライナは、穀物生産の一大拠点ですので、食糧問題も深刻となっています。また、利己的な主張を持った国家が近隣の国家を蹂躙した事実は、私達日本においても現実味を帯びて感じられました。

 政府は、安全保障の観点から軍事費の大幅な増額を決定しました。また、敵の弾道ミサイル攻撃に対処するため、発射基地などをたたく「反撃能力」の保有が安全保障関連3文書で明記され、日本の安全保障政策の大きな転換となりました。強大な軍事力を持つことは、実際の戦闘でも有効であるばかりか、紛争の抑止力となると信じられています。しかし、一方の国家が軍拡に向かえば、対峙する国家もそれに対応した軍拡を行い、果てしなき軍拡競争を引き起こすのも事実です。その結果、際どいバランス上の平和が維持されると信じられています。

 今までも問題視されていた日本の食料自給率(「カロリーベースの食料自給率」)は、近年38%となっています。「食の安全保障」の観点から、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせる方策が考えられます。今回のような紛争や近年頻発する異常気象によって、国民が最低限度必要とする食料の供給に危惧が生じています。したがって、日本の食料自給率を上げることは、緊急不可欠な課題と言えるでしょう。

 国連の安全保障理事会は、機能不全を起こしているようです。本来は、世界的な話し合いの場で平和を維持する処方箋を出す必要があります。安保理は、5か国の常任理事国(中国、フランス、ロシア、英国、米国)と、各地域に配分されて選挙により選出される10か国の非常任理事国から構成されています。今年日本は12回めの非常任理事国として活動します。ぜひ安保理の場を活用して世界平和と日本の安全保障に役立つ具体的な成果を出してほしいと願っています。

 様々な視点から日本の実力を評価すると、「国際競争力27位」、「労働生産性21位」、「民主主義指標23位」などのランキングとなっています。地球温暖化対策の国別ランキングでは、日本は主要58か国のなかで、50番目にランクされているのが現状です。1979年発売の「ジャパン アズ ナンバーワン」は日本経済の黄金期を象徴する言葉でした。そうした意識を引きずっている私たちは、最近の各分野での日本衰退の指標を心配している方が多いはずです。GDP(国内総生産)は、日本はアメリカに次いで世界第2位でしたが、2010年に中国に抜かれ第3位となりました。さらに、4位のドイツとの差は僅かとなっています。「一人当たりGDP」で比較すると、2021年のランキングで日本は世界28位となっています。

 国内の18歳未満の子どもの貧困率は15.7%を記録し、G7で最悪の値です。また、母子家庭世帯の約半数が貧困世帯、60歳以上高齢者の約20%が貧困状態というデータもあります。OECD(経済協力開発機構)が公表する世界の平均賃金データによると、2021年の日本の平均年収は433万円でOECD加盟国35か国中22位。韓国は、OECD加盟国の中では19位。日本はいつの間にか韓国に抜かれてしまっています。日本の衰退は、このまま続いていくのでしょうか。

 少子高齢化社会に突入した日本では、まずは子どもを増やす努力が必要です。様々な行政の手立てだけではなく、社会全体が子どもを育てていく認識が重要だと思われます。子育て世帯の経済的負担の軽減や、子育てしやすい社会環境づくりに努力する必要があります。近年の日本では出生率・合計特殊出生率ともに減少をたどっています。世界銀行が公表したデータによれば、2022年の合計特殊出生率世界ランキングで日本は208カ国中の191位です。

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日本の安全保障問題で最重要課題は、子どもを安心して生んで育てていける社会を作ることではないでしょうか。

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